<男子ゴルフ:中日クラウンズ>◇最終日◇4日◇愛知・名古屋GC和合C(6514ヤード、パー70)◇賞金総額1億2000万円(優勝2400万円)

 近藤智弘(30=フリー)が、通算9アンダーで並んだ藤田寛之(38)とのプレーオフを制し、昨年6月のJCBクラシック以来のツアー通算4勝目を挙げた。この日も安定感抜群のショットと、3月の全英オープン予選敗退で必要性を痛感した強気のパッティングを披露。プレーオフ2ホール目で6メートルのバーディーパットを決めて、振り切った。石川遼(16)の予選落ちで、盛り上がりを欠くかと心配された伝統の大会を、地元愛知出身の人気者が救った。

 近藤は最後まで、強気を貫いた。専大の大先輩藤田とのプレーオフ2ホール目。6メートルの軽いフックラインをねじ込むと、拳を握りしめた。「最初からミスやリスクは、覚悟の上で攻めました。『バーディーを取らなきゃ負ける』と思っていました」。常に感情を表に出さないクールな男が、熱く勝因を語った。

 鮮やかな勝利だった。ホールインワンを決めるなど64を出して、36位から2位に急浮上した前日同様、スタートから飛ばした。得意のバンカーからのアプローチで、スタート1番から連続バーディー。序盤で首位に立つと、安定したショットを武器に危なげなく「名門和合」を攻略した。「自分が一番狙っていたトーナメントを逃げずに勝てた。自信になります」と自画自賛した。

 アマ時代から数々のタイトルを取り、鳴り物入りでプロ転向した。毎年安定した成績で賞金シードを維持してきた。一昨年には初勝利をメジャーの日本プロで達成するなど、まさに順風満帆のゴルフ人生を歩んできた。しかし、当面の目標だった賞金ランク5位に入った昨年末「何か物足りない。ゴルフをやっていて楽しくない自分に気付いた」。答えを見つけられないいらだちを晴らすため、このオフは例年以上に練習に打ち込んだ。

 今年初めて3月にシンガポールで行われた全英オープン・アジア予選に挑戦した。3人で2枚の切符を争ったプレーオフに進出も、アジアツアーの無名選手に、次々にロングパットを決められて敗れた。「楽勝だと思ったのに、ショックでしたね。攻める気持ちが他の2人より弱かった」。今の自分に足りなかったものがやっと見えた。

 今季初の遼クン不在でピンチのツアーを、前日の予告通り、自分の優勝で締めた。「有言実行?

 いや~僕は、おいしかったね」と照れ笑い。「これからも、言ったことを守るのが大事ですね」。遼クン効果で脚光を浴びる日本ツアーを攻め続ける。【大石健司】