<女子ゴルフ:PRGRレディス杯>◇初日◇20日◇高知・土佐CC(6262ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 昨年11月の卵巣膿腫(のうしゅ)手術から復帰した新崎弥生(28=国際保険)が、今季の自身初戦の初日で2位につけた。高知市で最大瞬間風速15・3メートルを記録するなど、強風が吹く悪条件の中、3アンダー69をマークして、ツアー初優勝に向けて好発進した。上原彩子(25)が8バーディー、ノーボギーのコースレコード64で首位に立った。

 1番ホールに立った新崎は、ゴルフができる喜びでいっぱいだったという。「ここにいられる自分がうれしかった」。昨年11月7日夜、自宅で腹部の激痛に襲われ、救急車で病院に運ばれると「卵巣膿腫」との診断を受けた。腹部に最大4センチの穴を3つ開ける手術で腫瘍(しゅよう)を摘出したという。傷口がふさがった年明けに「まず18ホール歩くことから始めた。歩くのが遅く、道でお年寄りに抜かれたのはショックでした」と、振り返った。

 コースには強風が吹き荒れ、風向きがころころと変わる悪条件。まだ本来の飛距離は戻っていないが、「沖縄育ちなので風の免疫はあります。フルショットより、2、3番手上げてコントロールを心がけた」と、アイアンショットは安定した。8メートル以上のバーディーパットも4つ決まった。

 6日開幕の開幕戦ダイキンオーキッドで復帰を予定していたが、急性胃腸炎にかかり「みんなに感染するといけない」と、無理せず今大会まで待った。「手術したことが今のゴルフに生きています。どう転んでも受け入れるしかないという気持ちになれた」と話した。

 昨年11月の3試合を欠場し、あきらめかけていた初のシード権は賞金ランク51位に残って手にした。「知らせを聞いて、うれしくても(傷口が)痛くて笑えなかった」という新崎に笑顔が広がった。【赤坂厚】