<女子ゴルフ:LPGAツアー選手権リコー杯>◇2日目◇27日◇宮崎・宮崎CC(6508ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝2500万円)

 賞金ランク1位の諸見里しのぶ(23=ダイキン工業)が69で回り、通算2アンダーの142で首位と3打差の4位に浮上した。73で12位と出遅れた初日終了後に、江連忠コーチ(41)から「どこに打とうとしているか」と厳しく叱責(しっせき)され、発奮したこの日は一打一打に集中。71で回り2位につけた賞金ランク2位の横峯さくら(23)に2打差に迫った。3日目は初日に続いて同組で直接対決する。上田桃子(23)が通算5アンダーで首位を守った。

 カップを狙う強い意思があった。16番でボギーをたたいた直後の17番パー4。諸見里はグリーン奥から10ヤードのアプローチを放り込んだ。「まだ神様は見放してくれてないなって思った」。会心のチップインバーディーが効いての69。優勝争いに食らいつき、胸をなで下ろした。

 女王レースの最終決戦。賞金ランク2位横峯に約540万円差をつけ、逃げ切りを狙うが初日は73で12位と出遅れた。終了後に待っていたのは江連コーチの“説教”だった。「球をどこに落として、止めるのか-。お前の意思が分からない。ただ打ってるだけというのは、許せない!」。

 中2から指導を仰ぐ師匠の言葉に目が覚めた。この日は朝練習から球筋の高低の打ち分けを入念に行い、コースでも1打ごとに集中。07年上田に続く2人目の女王育成へ、全力を注ぐ江連コーチも「しのぶはうまくなってる。後悔しないようにやってくれれば、それでいいんだ」と納得した。

 故郷沖縄では県出身者初の賞金女王誕生を待ちわびている。日韓女子対抗戦翌日の12月6日には、NAHA(那覇)マラソンのスターターを務めることが決定。同夜には地元の名護市民会館で600人を集め、パーティーも開催される。拠点を置く神戸でも年末に大祝賀会が検討されている。クラブ契約を結ぶテーラーメイド社では“しのぶモデル・アイアン”も来月から発売予定。周囲の期待に、諸見里も最後の力を振り絞るつもりだ。

 3日目は最終組の1組前で、初日に続き横峯と直接対決する。「バーディーをたくさん取りたいから、昨日も鳥(バード)をたくさん食べたんですよ。明日も自分に勝つことを考えて、楽しみたい」。緊張感漂う最終戦で、笑みを浮かべてのプレーが、精神面の成長を物語っていた。【木村有三】