遅延プレーの罰を不服として、6日のサロンパス杯初日に途中棄権した三塚優子(25=フリー)が、計11試合の出場を自粛することになった。日本女子プロゴルフ協会は11日、懲戒諮問委員会を開催。樋口久子会長(64)は、10日に三塚から2カ月間(国内8試合)の出場辞退とプロ活動の自粛、海外3試合の出場辞退の申し出があり、これを受け入れたと発表した。さらに同協会として、史上最高額の罰金200万円、今後2年間の新人セミナー受講を義務付ける重い処分を下した。

 三塚が自らクラブを置いた。サロンパス杯初日に、遅延プレーを不服とし、前代未聞の「私的理由」で途中棄権。物議を醸し、周囲に迷惑を掛けた反省から、プロゴルファーとしての活動自粛を決断した。

 日本女子プロゴルフ協会によると、10日に三塚から直筆の謝罪の手紙が届き(1)2カ月間の国内競技出場辞退(2)同期間のプロゴルファー活動の自粛(3)海外競技3試合の出場辞退の申し出があった。国内は14日開幕のフンドーキンレディスから7月9日開幕の明治チョコレート杯まで8試合。海外は7月の全米女子オープン、エビアンマスターズ、全英女子オープンで、うち2試合は既に出場権を持っていた。

 樋口会長は、副会長らを含む8人による懲戒諮問委員会で検討した結果、この日付で「自粛を受け入れる」と発表。「多くのゴルフファンを失望させ、協会の名誉を失墜させたことは事実。しかし、棄権した翌日には会場を訪れて謝罪し、協会に対しても謝罪文を提出した。行為の重大さを認識し、真摯(しんし)に反省していること、若手で将来があることを考えた」と続けた。

 その上で、同協会としての処分を決定。同協会史上最高額の罰金200万円と、今後2年間の新人セミナー受講義務付けという初の処分だ。同セミナーは、社会人マナーや選手の心構えを教える場で、10年は12月14日から2泊3日で行われる。同会長は「新人教育では、自分より後から入ってくる選手と(一緒に)やるわけですから。屈辱だと思う」と話した。

 処分検討の前に自粛を申し出たため、出場停止という形は免れたが、06年に出場予選会で「スコアカード改ざん」をした選手が10年間の資格停止などになったのに次ぐ厳しい処分だ。三塚が、軽率な行動で失ったものは大きい。