<男子ゴルフ・ワンアジアツアー共同主管試合:インドネシア・プロ選手権>◇第1日◇インドネシア・エメラルダGC(7198ヤード、パー72)◇賞金総額8707万円(優勝賞金1567万2600円)

 谷原秀人(34=フリー)が7バーディー、1ボギーの66で回り、首位と1打差の6アンダー7位につけた。前戦のタイ・オープンでは、日本人最高の10位。前日に専属キャディーが熱中症で全身けいれんを起こすハプニングも乗り越え、2戦続けて日本勢を引っ張る。7アンダーの首位には片山晋呉(40)宮本勝昌(40)山下和宏(39)が名を連ねるなど、タイでは不振だった日本勢が上位を占めた。

 過酷な蒸し暑さの中でも、体力を残していた。後半8番パー3。谷原は4番アイアンで、ピン手前1・5メートルにピタリとつけた。「向かい風が強いと思って3番アイアンを持ったけど、4番で思い切って振りました」。首位集団に1打差と、好位置で第1日を終えた。

 実は前日、熱帯ならではのアクシデントに見舞われていた。練習ラウンド終盤、屈強な肉体で知られる串田雅実キャディー(32)が、熱中症でまさかのダウン。全身がけいれんして動けなくなり、バイクでクラブハウスに搬送された。熱中症の恐ろしさが胸に刻まれた。「水だけでなく、スポーツドリンクも飲んで電解質を取らないと」。

 迎えた第1ラウンドは、涼しい早朝7時のスタート。5メートル前後のバーディーパットを続けて沈める快調な前半だったが、安心しなかった。復活した串田キャディーとともに、こまめにスポーツドリンクを飲み続ける。日が高くなった中盤から、予想通り大量の発汗。大型バスタオルが絞れるほど汗だくになったが、熱中症にはならずに済んだ。

 7番パー5で初めてのボギーをたたいたが、直後の8番で完璧なショットを放ちバーディー。キャディーの“教訓”を生かし、谷原が順調なスタートを切った。【塩畑大輔】