日本ツアー賞金ランク1位を独走する松山英樹(21=東北福祉大)と米ツアー参戦中の石川遼(21=カシオ)が、来月20日開幕のツアー選手権宍戸(茨城・宍戸ヒルズCC)でプロ初対決することが20日、分かった。この日、東京・有楽町の外国特派員協会で会見した松山は「アメリカに早めに行きたい」と米ツアー参戦を希望。また、16年リオデジャネイロ五輪出場を熱望するなど、松山のチャレンジ精神はとどまるところを知らない。

 この日、米ツアー参戦について質問された松山は「アメリカには早めに行きたいという気持ちが強い」と話した。それには、ジュニア時代からライバルの石川の存在がある。「遼がアメリカに行って最初のころは苦しんだ。やはり日本とは違う。早めに行って技術を磨きたい」と、石川と対等に戦うために早期米ツアー参戦を口にした。

 日本ゴルフ界をけん引していく実力を備えた若手2人は、これから何度も対戦していくことになる。その2人が、プロとして初めて戦う可能性があるのが来月のツアー選手権宍戸だ。4月のマスターズ38位、HPバイロン・ネルソン選手権で今季最高の10位になったことで、米ツアーでの手応えをつかみ、日程的にも帰国して国内戦に出場できると判断した石川サイドが、ツアー選手権宍戸出場への方針を固めた。今季から盟友の池田勇太(27)が選手会長を務める日本ツアーを盛り上げるつもりだ。

 国内デビュー2戦目で優勝し、今や注目の若手スポーツ選手として大活躍が期待される松山と、苦悩しながら米ツアーではい上がろうとしている石川の対戦は、いやがおうでも国内戦の話題を集めることになる。

 さらに、2人のプロ対決は海外メジャーでも実現する可能性がある。全米オープン(6月13日開幕)だ。松山は今月27日に日本で、石川は来月3日に米国で最終予選を戦う。加えて、全英オープン(7月18日開幕)でも、2人の同時出場の期待がかかる。松山はすでにアジア予選を突破しており出場権を獲得済み。石川は21日早朝、米国最終予選を戦う。

 この日、松山は自らのメジャー制覇の可能性について「あると思う。マスターズしか出ていないけど、ティーショットを曲げても、その他を究めていけば勝てると思う」と言い切った。

 将来のメジャー制覇を目指し、石川は今季からの米ツアー参戦を決めた。松山も最高峰での頂点を目指す。ジュニア時代からライバルとして戦ってきた2人のプロ初対決は、すぐそばに迫っている。