<男子ゴルフ:世界選手権シリーズ・キャデラック選手権>◇最終日◇9日◇米フロリダ州ドラル、トランプナショナル・ブルーモンスター(パー72)

 松山英樹(22=LEXUS)は34位で、今年の「第1次遠征」を終えた。21位から出て前半41も後半33と巻き返して74、通算6オーバーの294だった。これでいったん帰国し、前週の棄権の原因となった左手の検査や、東北福祉大の卒業式などを挟み、4月10日開幕のマスターズに備える。72で回ったパトリック・リード(米国)が通算4アンダーで逃げ切り、今季ツアー2勝目を挙げた。

 松山が粘りを見せた。前半はショットが乱れ、9番で池に打ち込むなど、1ボギー、2ダブルボギーと失速。そこから11番ではチップイン、12番ではピンそば1メートル、15番では2メートルにつけて3バーディーを奪った。「開き直って頑張ったんですけど、パットがよくなかった。後半はあと1つ2つは伸ばせたと思う」。13番で1・8メートルを外すなど、今大会はパットが本調子ではなく、「4日間で10打くらい損している」というのが本人の感触だ。

 これで米ツアー参戦も一区切りになる。1月から12週間の遠征で、最高位はフェニックス・オープンの4位、アクセンチュア・マッチプレーは2回戦進出で17位扱いとなるため、棄権を除く出場5試合でワーストは今回の34位だ。松山は「1度しかトップ10に入れなかった」と不満顔を見せたが、プロ転向後の米ツアー出場でもこれまでの最低順位は25位と、むしろ驚異的な安定感といえる。

 本格参戦当初は言葉や生活面の壁にぶつかる選手が多い中、「どうでしょうね。生活、できているんじゃないですか」と、戸惑いは感じてないようだ。米ツアーのレベルについても「やれると思ったこともないし、やれないと思ったこともない。努力した結果がついてきているだけ」と、自然体なのが頼もしい。

 次の米ツアー参戦はマスターズだ。約1カ月後の大舞台に向けて「すべて練習しなきゃいけないでしょうね。今までやっているものを出せればいい」。日本で充電、調整して3度目のオーガスタ挑戦を迎える。