<女子ゴルフ:スタジオアリス女子オープン>◇第2日◇12日◇兵庫・花屋敷GCよかわC(6376ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 注目の新人・藤田光里(19=レオパレス21)が、ツアー自己ベストタイの69をマーク。通算5アンダーで首位と4打差、日本人トップの3位に浮上した。今季ツアー最多のギャラリー8855人の前で、昨年ファイナルQT1位の力を発揮。最終日にプロ転向後ツアー9戦目、日本人3位タイとなるスピードVに挑む。

 女優の尾野真千子に似たルックスに、藤田光が涼しげな笑みを浮かべた。「ショットがまとまっていました」。ドライバー平均約260ヤードの飛距離を生かし、スコアを伸ばした。2、10、16番のパー5で、第2打をいずれも残り30~70ヤード付近に運び、2~3メートルのチャンスをつくって、バーディーを奪った。

 69はアマチュアだった12年8月のmeijiカップ以来、プロでは初の自己ベストタイのスコア。最終日を前に、首位と4打差3位だ。

 初のツアーフル参戦となる今季、開幕から3戦連続で予選落ちした。ファイナルQT1位、新人戦加賀電子カップ優勝。ルーキーゆえの重圧もあった。初の予選通過を決めた先々週のアクサレディース第2日に“流れ”を変えた。「もうジュニアじゃない。プロなんだ。緊張している場合じゃない!」。そう念じた。朝イチ第1打のティーアップで、決まって起こった手の震えが止まった。

 腹が据われば、力は出る。札幌・西岡中の学芸会では、演劇で主役に立候補。合唱の指揮もした。「もともと人に見られるのは、嫌いじゃないので」。今季最多8855人のギャラリーが集まった雰囲気を、存分に楽しんだ。

 初体験の連戦に疲れはある。朝は5時半起き予定で、30分寝坊した。しかし、疲れている場合じゃない。先週のヤマハレディースは4打差6位で迎えた最終日、中盤の連続ダブルボギーでV圏外に…。「明日はそういうこと、絶対にないようにしたいです」。日本人3位タイとなるツアー9戦目の初Vへ、ベストを尽くす。【加藤裕一】

 ◆藤田光里(ふじた・ひかり)1994年(平6)9月26日、北海道札幌市生まれ。ゴルフは3歳から。西岡中3年の09年から北海道女子アマ5連覇。飛鳥未来高を卒業した昨年プロテスト合格。ルーキーでは史上初の「ファイナルQT1位&新人戦加賀電子カップV」を達成した。165センチ、56キロ。