<男子ゴルフ:ミズノ・オープン>◇第1日◇29日◇岡山・JFE瀬戸内海GC(7382ヤード、パー72)◇賞金総額1億1000万円(優勝賞金2200万円)

 藤本佳則(24=フリー)が6バーディー、1ボギーの67で回り、首位と1打差の3位と好発進した。海風が強くなる午後の難しいコンディションの中、コースを攻略。先週の関西オープンの最終日終盤まで単独首位を走りながら、逆転を許したリベンジとともに、ルーキーイヤー12年以来の全英オープン出場権獲得を目指す。すでに同オープン出場権を持つ岩田寛(33)と、ミズノ契約のホストプロ上田諭尉(40)が66で回り、首位に立った。

 最終9番パー4。藤本のティーショットの打ち出し方向に、ギャラリーから「あっ!」と驚きの声が上がった。明らかに右サイドの池方向に飛んだからだ。しかし藤本は悠然とフィニッシュを取り、ドライバーを前村キャディーに手渡した。300ヤード以上飛んだ1打は右の池を越えて、フェアウエーをきっちりととらえていた。

 海辺の強風の中、ティーショットで同組の谷原を終始30ヤード近く突き放した。「疲れてるんやけど、体が動いているやろうね」。今季の平均ドライバー飛距離は296・35ヤードで7位。昨年平均を10ヤード以上も上回っている。フェアウエーキープ率も加味した「トータルドライビング」で1位。その実力を、はっきりと示した。距離のアドバンテージを生かし、アイアンショットもピンに絡み続けた。

 首位を走り続けた先週の関西オープンも、最終日終盤の勝負どころで、同組の小田孔明をアウトドライブし続けた。しかしパットが乱れて逆転負け。翌26日に地元奈良で行われた全米オープン予選も出場権獲得に失敗した。連戦に加え、心理的なダメージも少なくないはずが「寝れば直ります」とキッパリ。早くもリベンジ勝利を視野に入れた。

 12年にはルーキーながら、賞金ランク上位で全英オープンに出場。B・ワトソンらとラウンドし、刺激を受けた。「今週はまた出場権を得るチャンス。出たいですよね」。2度目の大舞台を見据え、さらにチャージをかける。【塩畑大輔】

 ◆全英オープン出場権

 ミズノ・オープンの最終成績上位4選手には、7月にロイヤルリバプールGCで行われる全英オープンの出場権が与えられる。他には<1>世界ランク50位以内<2>直前の国内賞金ランク2位以内<3>昨季国内賞金ランク2位以内<4>世界各地区の予選突破者などが出場できる。