<米男子ゴルフ:ドイツバンク選手権>◇第1日◇29日◇米マサチューセッツ州TPCボストン(7216ヤード、パー71)◇賞金総額800万ドル(約8億円)優勝賞金144万ドル(約1億4400万円)

 プレーオフ3戦目への出場を目指す石川遼(22=CASIO)が、痛恨のダブルパーなどで窮地に立った。後半の12番パー4で「8」をたたくなど、78でホールアウト選手中最下位の93位と低迷。全選手がこのままの順位で終わった場合のポイント想定順位73位と、同70位以上が進出できる来週のBMW選手権への自力出場が厳しくなった。

 後半12番パー4。石川はドライバーでの第1打を、フェアウエー中央よりも30~40ヤードも右方向に打ち出してしまった。プッシュアウトと呼ばれるミス。カート道で大きくはねたこともあり、345ヤードも飛んでダメージをさらに大きくした。深い茂みの中からの第2打はほぼボールを動かせず、アンプレアブル(プレー不能)を宣言。1罰打を払って2クラブ以内にボールを動かし、第4打でようやくフェアウエーに戻った。

 3パットも重なり、痛すぎるダブルパー。「絶対右に打ってはいけないホールで打ってしまった。下見不足の影響が出てしまった」。疲れによる体調不良で、予定していた事前の練習ラウンドを1度取りやめた。コンディションは回復したが、準備は万全ではない。

 先週のプレーオフ第1戦バークレイズから、右へのプッシュアウトは頻発。それを修正する時間も取れなかった。恐れていたミスが、最も出てはいけない場面で出てしまった。「自信を持って振れていない。時間はかかると思います」。時折、目はうつろになった。

 現在ポイントランク56位だが、下位の選手の健闘もあり、このまま終わった場合の順位は73位まで落ちてしまう。現状の予選通過ラインまでの5打差を逆転すれば、決勝ラウンドでポイントを稼いで自力で巻き返せるが、非常に難しい。それでもホールアウト後は練習場に直行し、黙々とドライバーを打ち込んだ。【塩畑大輔】