<男子ゴルフ:カシオ・ワールドオープン>◇第1日◇27日◇高知・Kochi黒潮CC(7315ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 石川遼(23=CASIO)が5バーディー、2ボギーの69と、課題の第1日で上々のスコアを残し、首位と3打差の13位につけた。好調な前半の流れを、約40分の長いインターバルで断ち切られ、後半は一転して我慢の展開に。それでも100ヤード未満の得意の距離から、2バーディーを奪って巻き返した。国内ツアーではここ4戦、40位前後と第1日の出遅れが目立ったが、大事なホスト戦ではきっちり好スタートした。

 嫌な流れを、豪快なドライバーと、世界一の精度を誇るウエッジで吹き飛ばした。最終9番パー4。石川は第1打を追い風に乗せ、280ヤードの左フェアウエーバンカーを軽々とキャリーで越えた。「逆向きの8番が向かい風だったので、100%追い風だと自信を持って打ちました」。残りは80ヤード。ピン左30センチにピタッとつけて、楽々とバーディーを挙げた。

 「得意な距離が残せた」と石川。米ツアーでも75~100ヤードからピンを狙ったショットの精度は、カップまでの平均残り距離11フィート11インチ(約3・6メートル)で、13~14年シーズン1位。9番の第2打は、文字通り「世界一」のショットだった。

 石川にとって今年最後の米ツアー戦を終え、帰国してから国内ツアー4戦目。ここまではいずれも第1日が40位前後と出遅れ、思うような成績が残せずにきた。「米ツアーでも滑り出しは課題。周りを見ながら徐行運転じゃなく、ガツガツとバーディーを狙おうと思った」。10番パー5で「珍しく」バーディーを挙げると、前半だけで3アンダーまで伸ばした。

 しかし日が短いこの時期の国内ツアーは、午前中に全選手をスタートさせるため、ハーフターンで約40分のインターバルが生じる。これで流れが変わった。「正直やりにくい」と1、3番とボギーを重ね後退。暗雲が垂れ込めた。それでも続く短い4番パー4で、ドライバーを強振して狭いフェアウエーのキープに成功すると、ウエッジで2メートルにつけてバーディーを挙げ、悪い流れを断ち切った。

 「あれも95ヤードでした。一番好きな距離で、自信を持っている。あそこからまたゴルフが良くなりました」。半フレックスほどシャフトの硬さを落としたドライバーも好調で、75~100ヤードの得意距離を残せる要因に。第2日以降も、世界一ショット連発で優勝争いを演じる。【塩畑大輔】