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コースガイド

ママチャリで走る花の2区/番外編

ママチャリで走る花の2区

 「花の2区」。ふと1つの疑問が生まれた。鶴見中継所から戸塚中継所までの23・2㎞を自転車で走るとどれくらいかかるのか。慶大スポーツの突撃レポート「大和がゆく」の担当者である大和弘明が検証を試みた。

 まずは鶴見中継所に集合。そこまで現地集合というから驚きだ。自宅から友人のママチャリをこぎ続けること約1時間、やっと集合場所に到着。すでに息があがり、先行きが不安になる。悩んでいてもしょうがない。地図とバナナを受け取り、いざ出陣。区間記録を抜いてやる!

 第一京浜をスムーズに進む。平坦な道のため、足に負担がかからず、ここでタイムを稼いでおきたいところ。調子がよくなってきた。しかし誰1人応援してくれる人がいないのがさびしい。孤独なレースは続いていく。

 横浜駅周辺に到着。地図を確認する。…。しまった、道を間違えたようだ。横浜駅西口付近で迷う。必死に歩行者をかき分け、道を探す。それにしても年末の横浜駅は混んでいるなぁ。

 なんとか軌道修正をして、ランドマークタワーが見えてくる。潮風が体に心地いい。いや、寒いだけだ。年末に何でこんなバカなことをやっているんだろう。ちょっと我に返ってしまった。

 長いストレートが続く。保土ヶ谷駅を通過し、このあたりで足が疲れてくる。もう帰りたい。家でテレビ見ながらごろごろしたい。お餅が食べたい。合コンしたい。いろいろなことが頭を巡る。 おっと、前方に坂が見えてきた。これが2区の勝負どころの権太坂だ。疲労と寒さに加え、登り坂なんて。まさに泣きっ面に蜂である。覚悟を決めて、坂を登り始める。

 長い上り坂が延々と続く。これは脚に相当な負担がかかる。必死な顔で自転車をこいでいたら、美しい女性が変な目で僕を見ていた。…。また1つ、素晴らしい出会いが台無しになった。もしあの美人がこの記事を読んでいたら、連絡下さい!なんてね。

 坂を下り、コンビニで少し休憩。時計を確認すると、すでに2時間半が経過。もらったバナナを食べて元気を出そう。アっ、腐っている。イジメられてるのかなぁ(苦笑)。再び自転車をこぎ始める。

 今度は緩やかな坂がある。しかも車がかなりのスピードで通るため、自転車で走るのは危険だ。コースを走るのは断念し、安全な道に迂回。かなり遠回りで時間を無駄遣い。ちょっと待てよ、完走できるのか。不安と後悔でリアルに涙が出そうになる。こんなときに応援があったら頑張れるのに。孤独すぎる。

 なんとか東海道に合流。最後のストレートでラストスパートをかけてゴール!タイムは3時間15分だった。何の余韻もなく、車に自転車を積み、帰宅。究極の自己満足が終わった。ちなみに、その夜はぐっすり眠れた。【慶大スポーツ大和弘明】

ホンダCR-V
 ホンダを代表するSUV型乗用車。1995年にデビューし、今回借りたのは今年10月にモデルチェンジされたばかりの3代目(ZXタイプ)。4WD5速AT、約2400cc。メーカー希望小売価格は275万1000円。
 ホンダは、03年度から箱根駅伝に協賛。燃料電池車「FCX」1台を大会本部車両として、またチームをサポートする運営管理車として「シビックハイブリッド」や「エディックス」、24台の車両とドライバーを提供するほか、沿道の販社や箱根・芦ノ湖畔の往路ゴール付近では、特設ブースを設け、豚汁やグッズを配布し、大会を盛り上げる。

バックナンバー

佐野さくら(さの・さくら)
 1984年生まれ、山梨県出身。現在慶大商学部3年在学中。サークルではラグビー班長を務める。もちろん慶大ラグビー部の大ファン。静岡・富士高時代は水泳部に所属。体は小さいが好奇心は旺盛。箱根駅伝が終わると後期試験、就職活動が始まる。
大和弘明(やまと・ひろあき)
1985年生まれ、群馬県出身。現在慶大経済学部2年在学中。来年から慶大スポーツ新聞会の編集長に就任する。群馬・中央高時代は陸上部の主将を務め短距離ランナーとして活躍。100Mの自己ベストは10秒98。



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