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コースガイド

同期の快走に感動!/復路観戦記

北島寿典(中央)

 箱根駅伝2日目。僕は戸塚中継所で8、9区の選手たちを見ていた。1時間前に現地に到着。すでに沿道には人がいっぱいいた。箱根駅伝グッズを買う親子連れ。スポーツ新聞を読み込む熱心なファン。生放送の準備をするテレビ局のスタッフ。それぞれ目的は違うけれど、箱根駅伝には欠かせない存在だ。

 9区の選手たちが準備をしている。同じ大学の部員と話をする選手。マッサージをうける選手。携帯電話で監督から指示を受ける選手。各大学の選手が様々な方法でベストの走りができる準備をしている。緊張感がこちらにまで伝わってくる。1年間、このために練習してきたわけだから、ピリピリしたムードになるのは当然かぁ。

 いよいよ召集が始まり、選手たちが1カ所に集まってくる。極度の緊張感。僕が現役で陸上を続けていた頃、一番緊張したのは召集の時だった気がする。9区のレースがいよいよ始まるんだ。

 8区の選手たちが続々と9区にたすきを渡す。その中に、東洋大学が2つ順位を上げて、5位で走ってくるのが見えた。走者の北島寿典(写真)は高校時代の陸上部の同期だ。なんとも言えない興奮。心からわき上がってくる感動。走り終わった後、彼に歩み寄る。

 「応援が多くて、舞い上がっちゃったよ。タイムはあんまりよくないかも」。彼はこう僕に言ってきた。その数分後、タイムの集計が終わり、彼が区間賞だということがわかった。「マジで。区間賞っぽいよ、オレ」。僕は本当にびっくりしたが、北島も驚いた様子だったのには少し笑えた。 その後は彼と電車で大手町に向かった。「高校の時の練習を朝練でやるからね。ケガが多くて大変だったよ。でも最後はこういう形(区間賞)で終わってよかった。本当に頑張ってよかったよ」。興奮気味の様子でいろいろな話をしてくれた。昨日(2日)、テレビで昨年年の順大・難波の8区での大ブレーキを見たという。「オレもこうなるんじゃないか」と不安になったらしい。

 その後、大手町に着くと、多くの人でごった返していた。ゴール地点に向かうと、どこかの大学の校歌が聞こえてきた。自分の大学の校歌でないのはすぐわかった(出場してないから)。順大のようだ。順大の選手たちがみんなで何か盛り上がっているからだ。その数分後、順大の選手がトップで現れた。ガッツポーズをしながらゴールテープを切る。大きな声援は最高潮。優勝した順大の選手たちは皆、満面の笑顔だった。

 全ての大学がゴールをし、今年の箱根駅伝は終わった。人々が帰り始めるのを見て、少し寂しさを感じてしまった。いや、寂しくなってはダメだ。だってまだ1年のスタート、箱根駅伝が終わっただけなんだから。今年も頑張ろう―。そう心に決め、大手町を去った。【慶大スポーツ大和弘明】

ホンダCR-V
 ホンダを代表するSUV型乗用車。1995年にデビューし、今回借りたのは今年10月にモデルチェンジされたばかりの3代目(ZXタイプ)。4WD5速AT、約2400cc。メーカー希望小売価格は275万1000円。
 ホンダは、03年度から箱根駅伝に協賛。燃料電池車「FCX」1台を大会本部車両として、またチームをサポートする運営管理車として「シビックハイブリッド」や「エディックス」、24台の車両とドライバーを提供するほか、沿道の販社や箱根・芦ノ湖畔の往路ゴール付近では、特設ブースを設け、豚汁やグッズを配布し、大会を盛り上げる。

バックナンバー

佐野さくら(さの・さくら)
 1984年生まれ、山梨県出身。現在慶大商学部3年在学中。サークルではラグビー班長を務める。もちろん慶大ラグビー部の大ファン。静岡・富士高時代は水泳部に所属。体は小さいが好奇心は旺盛。箱根駅伝が終わると後期試験、就職活動が始まる。
大和弘明(やまと・ひろあき)
1985年生まれ、群馬県出身。現在慶大経済学部2年在学中。来年から慶大スポーツ新聞会の編集長に就任する。群馬・中央高時代は陸上部の主将を務め短距離ランナーとして活躍。100Mの自己ベストは10秒98。



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