<バレーボール:全日本高校選手権:下北沢成徳2-0高知中央>◇6日◇女子2回戦◇東京体育館

 92年バルセロナ五輪バレーボール男子代表の大竹秀之氏(44)の長女里歩(3年)が主将を務める下北沢成徳(東京)が、初戦となる2回戦で高知中央(高知)にストレート勝ちした。里歩は、先月31日に死去した日本バレーボール協会名誉顧問の松平康隆氏(享年81)の言葉を胸にプレー。同校卒業生で日本代表の木村沙織(25)級の実力とされる大器が、悲願の全国制覇へ順調なスタートを切った。

 中央からたたきつけた。身長208センチで「アジアの壁」と呼ばれた父のDNAを受け継いだ183センチの里歩。「この1本で流れを変える」。高く跳躍して空いたスペースを冷静に見つけると、2人のブロックの上からコートに乾いた音を響かせた。

 第1セットの14点目。初戦の緊張からチームはサーブミスが続いていた。格下相手に競り合いが続く悪い流れを断ち切った。「最初は焦りがあった。でも自分はキャプテン。焦ったらダメと思って」。主導権を一気に握るスパイクで第1セットは25-22で取り、第2セットも危なげなく25-14で制した。

 前日は悲しみに暮れていた。母からの電話で松平氏の訃報を聞いた。日本代表だった父を通じて、幼少期から一緒に食事をするなど親交があった。バレーをしていることに、「期待しているよ」といつも優しく声をかけてくれていたという。「尊敬する松平さんの期待に応えなきゃ」と気持ちは高ぶった。

 小川監督は、その才能について「高校時の木村に匹敵します」と日本代表エースの名前を挙げる。当時最高到達点が298センチだった木村に対し、里歩は「10センチ高い。調子良いと310センチ」という。「木村は柔らかさもあったけど、打球の強さという面では里歩の方が持っている」と評した。

 1年生からエースとして活躍してきたが、高校入学後は全国大会での優勝経験はない。これがラストチャンス。「明日は2試合あるけど集中ですね」。有終の美をかけて、高く跳び続ける。【阿部健吾】

 ◆大竹里歩(おおたけ・りほ)1993年(平5)12月23日、横浜市生まれ。小5で山下ジュニアで競技を開始し、淑徳SC中3年で全中8強入り。1年生エースとして出場した10年「春高」は3回戦敗退。昨年は準々決勝敗退。卒業後にデンソー入りが決まっている。183センチ、65キロ。