「みうみま」が4強初進出を決めた。平野美宇(15=エリートアカデミー)が松沢茉里奈(23)に4-2で勝ち、伊藤美誠(15=スターツ)は浜本由惟(17)を4-1で破って、ともに準々決勝を突破。史上最年少の決勝進出を懸けて今日17日の準決勝で対戦する。

 15歳でリオ五輪の代表候補となった伊藤が、隣のコートで「ヤアッ!」と歓喜して跳びはねる平野の姿に活力を得た。ジュニアの部を制した高校2年の浜本との第1ゲーム。劣勢の展開の中、「ちょうどボールを拾いにいったときに見てました」と視線を送った。前夜に「一緒にメダルを取ろうね」と誓い合った親友の姿に「自分も頑張っていこうと思えた」。第1ゲームは落としたが、身長で約20センチ高い相手を速いスマッシュで揺さぶった。サーブでも崩して長いラリーを回避し、逆転勝利につなげた。

 平野は精神面の成長を自任した。2ゲーム先取されても動じず、4ゲームを連取。「去年までだったら、あ~どうしよう~って感じだったけれど、今日は大丈夫かなって思えた」。海外転戦を重ねて得た経験を自信に変えた。大好きな「乃木坂46」の動画を見て気持ちを高めて今大会に臨んだといい、「調子は上り坂で~す」と笑みを浮かべた。

 準決勝では一般の部で初めて対決する。どちらが勝っても中学生の決勝進出は初。優勝なら88年度に高2(17歳1カ月)で初優勝した佐藤利香の記録を更新する。昨年のジュニアの部準決勝ではフルゲームの末に伊藤が勝った。互いを知り尽くす相手との一戦に向け、伊藤は「美宇ちゃんは普段はボーッとしているのに卓球だと全然違う」と笑えば、平野は「メダルを取りたいから優勝したいに目標が変わりました」と闘志を燃やした。【鎌田直秀】