男子はソチ五輪銀メダルの平野歩夢(17=バートン)が90・50点のトップで上位10人による14日の決勝に進んだ。高いエアで圧倒し、13年8月のカードローナ大会(ニュージーランド)以来2季ぶりのW杯優勝に王手をかけた。ともに20歳の同五輪銅メダルの平岡卓は2位、片山来夢は3位。今季のW杯種目別優勝を決めている青野令は8位で通過した。

 平野が安定感あるエアで予選トップに躍り出た。3D系の演技では、回転数を抑えながら模範的な技術で点数を稼ぎ、圧倒的な高さでジャッジの心を奪った。「調子はまあ、いいと思います」と優勝への手応えを口にした。

 2季ぶりのW杯出場だった。ソチ五輪後は北米や欧州のプロ大会を主戦場にし、昨季はUSオープン(米国)3位、今季は1月のラークスオープン(スイス)優勝。今季のW杯種目別優勝の青野が「ムチャムチャうまい」と言うほどの実力を身に付けた。

 2年後の平昌五輪出場には代表チームに戻り、W杯などで国際スキー連盟(FIS)のポイントを獲得する必要がある。14日の決勝で勝てば来季の代表復帰が確実となる。「(大技を)入れなきゃ優勝は狙えない。入れていきたい」と平野。生涯3戦目のW杯で計算通りの2勝目を挙げ、五輪の道を切り開く。【中島洋尚】

 ◆平野歩夢(ひらの・あゆむ)1998年(平10)11月29日、新潟県村上市生まれ。4歳からスノーボードを始め、小4で米国のメーカー「バートン」と契約。13年冬季Xゲームでホワイト(米国)に次ぐ2位。14年ソチ五輪では日本スノーボード史上初の銀メダルを獲得し、冬季五輪日本人史上最年少メダリスト。

 ◆平野とW杯 過去2戦出場。13年8月のW杯カードローナ大会(ニュージーランド)に初出場し、14歳8カ月で全種目を通じて史上最年少優勝。同年12月のコッパーマウンテン大会(米国)では13位だった。