全日本選手権覇者の宇野昌磨(19=中京大)が会心の演技で世界歴代3位となる104・86点をマークし、2位発進となった。

 ノーミスでの演技後は「最初から最後まで落ち着いて自分の演技ができた。それがうれしくて」と右手を突き上げるガッツポーズ。後に滑った2連覇中のフェルナンデス(スペイン)に世界歴代2位の更新を許すも、自身の自己ベストを4・58点更新した。

 昨年7位で涙した舞台で、宇野が成長を示した。冒頭の4回転フリップをきれいに決め、4回転-3回転の連続トーループ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)へと流れるようにつなげた。「この1年の成功と失敗の積み重ねが出た」。演技直後のガッツポーズ以降は、高ぶりすぎる様子もない。樋口コーチとも、喜びをじっくりとかみしめるように抱き合った。

 4月1日に待つフリーへ、ここでも宇野は冷静に自分を見つめる。「足りないところはたくさんある。ジャンプだけのフリーにしたくない。『見どころは全て』と言えるようなフリーにしたい」。首位フェルナンデスとは4・19点差。ここで満足するつもりはない。