CTB鹿尾貫太(21=東海大)が、日本代表に「衝撃デビュー」した。強烈なタックルを武器に代表初試合に臨み、後半32分からはフランカーにポジションをチェンジ。初キャップ試合でBKとFWをこなすという前代未聞の「偉業」を成し遂げた。
前半2分、巧みなグラバーキックでNO8松橋の先制トライをアシスト。後半21分にはタックルで相手ボールを奪い、WTB山田のトライを導いた。緊張の代表デビュー戦で活躍していた鹿尾が耳を疑ったのは後半30分過ぎ。「ベンチから『次、(山沢)拓也が入ったら、フランカーな』って言われて。激しく動揺しました」と振り返った。
松橋が足を痛めたが、すでに控え選手はSO山沢だけ。松橋と山沢が交代すれば、BKの誰かがFWをやる必要があった。「やったこともないし、練習もしていない。でも、言われたらやるしかないと」と鹿尾。山沢が入ってSO松田がCTBに、押し出された松橋がフランカーに回った。
スクラムでは同じ東海大のプロップ三浦を勢い込んで押したが、未経験者のプッシュが効くわけもない。「何もせんといてくれ、って言われちゃいました。ジャマだってことですね」と苦笑い。「得意なタックルだけに集中しました」と振り返った。
無難にフランカーもこなして日本の勝利に貢献した鹿尾は、ジェイミー・ジョセフHCから絶賛された。試合後のロッカールームでは「シカオがセンター(CTB)とフランカーをやって歴史をつくった」とほめられ、全選手から祝福された。同HCは記者会見でも「今日はシカオをほめたたえたい。15人で攻撃するモダンラグビーでは、複数のポジションができることも重要だ」と、個人の名をあげて評価することの少ない指揮官が言うほど、鹿尾のプレーは見事だった。
鹿尾自身は「今日の出来は65点」と控えめ。確かに初キャップの緊張からかタックルやパスでミスもあった。好機にノックオンしてトライも逃した。だからこそ「もっと練習して、もっとアピールして、ポジションを奪いたい」と話した。「ライバルは多いけれど、19年(W杯)は絶対にセンターを奪ってやる」。代表デビュー戦で2つのポジションをプレーした鹿尾は、3年後に向けて自信たっぷりに言い切った。【荻島弘一】


