在ロシア日本大使館などによると、日本がボイコットした1980年のモスクワ五輪に参加するはずだった山下泰裕東海大教授(50)ら柔道の元日本代表選手の一行がモスクワを訪問し、11日夜、柔道愛好家で7日に大統領を退任したばかりのプーチン首相と懇談、日ロの柔道交流について意見を交わした。

 懇談は、プーチン首相が「幻の柔道五輪代表選手」の一行を迎賓館での夕食会に招待して実現し、双方は柔道分野でさらに協力を進めることで意見が一致した。一行はロシア柔道連盟の招待で10日から14日までの日程でモスクワを訪問し、国際柔道セミナーに参加。ライバルだったロシアの柔道家らと旧交を温めるのも目的だ。

 日本はソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して米国など西側諸国とともにモスクワ五輪をボイコットした。84年のロサンゼルス五輪の金メダリスト、山下氏は柔道を通じ、プーチン氏と大統領時代から親交を深めている。