北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリスト、石井慧(21=国士舘大)は7日、東京都世田谷区の国士舘大柔道部寮で記者会見し「今は卒業を第一に考えている。時間があるので、本当にやりたいことを考えていく」と進路についての明言を避けた。

 5日に全日本柔道連盟(全柔連)の吉村和郎強化委員長に総合格闘技転向の意思を伝えたことで、プロ転向が確実視された。この日は「将来的に総合格闘技に行ってみたいという興味はある」と話すにとどめたが、複数の関係者によると、石井の決意は固いという。

 全柔連は石井をロンドン五輪に向けた強化計画から外す方針を打ち出している。これに対し石井は「以前から来年の世界選手権には出ず、自由にやることを考えていた」と話した。強化指定選手の辞退は「今は全然考えていない」と述べた。

 記者会見には、日本男子の斉藤仁監督と国士舘大の山内直人監督も同席。斉藤監督は「まずは卒業させたい。進路も並行して考えるが、決めるのは本人の自由」と話した。