重量挙げのロンドン五輪代表に決まった男子105キロ超級の太田和臣(九州国際大職)が15日、亡き祖父の母国、英国での活躍を誓った。北九州市内の九州国際大で記者会見した25歳の初代表は「今まで最重量級で日本人の入賞はない。8位入賞を目標に練習していきたい」と宣言した。

 急成長でつかんだ五輪の切符だ。4月の全日本選手権でトータル407キロ、アジア選手権で410キロと日本新記録を連発し、1カ月足らずで5キロも自身の日本記録を更新。この好記録が決め手となって、たった1枠の代表争いに競り勝った。日本協会の篠宮稔専務理事は「(五輪まで)5キロ、あるいはそれ以上の記録向上も見込める。そうすれば十分8位に届く」と期待を寄せる。

 代表入りで周囲から注目を浴びるようになり、会見では「マイナースポーツなので、試合以外で人に囲まれることはない」と183センチ、145キロの巨体をすくめた。中学時代は柔道に打ち込み、高校で重量挙げに転向した日本一の力持ちは「自分に流れている血。ルーツをきちんと見てきたい」と縁のある地での初舞台を心待ちにする。