<フィギュアスケート:GPシリーズ第3戦・中国杯>◇8日◇上海

 羽生結弦(19=ANA)は、直前練習で閻涵(中国)と激突し、流血するもリンクに立ち続け、気迫のフリー演技で154・60点、合計237・55点で2位となった。

 ロシアのコフトゥンが優勝。ドーンブッシュが3位、羽生と激突した閻涵は6位、田中刑事は8位。<男子最終順位(合計点)>1位コフトゥン(ロシア)243・34点2位羽生結弦(日本)237・55点3位ドーンブッシュ(アメリカ)226・73点第2グループ【第11滑走

 コフトゥン(ロシア)】

 SP首位のコフトゥン(ロシア)の演技。フリー157・38点。SP85・96点の合計243・34点。羽生を上回り優勝。【第10滑走

 羽生結弦(日本)】

 直前練習で閻涵と激突した羽生は4回転ジャンプを3回取り入れ、新プログラム「オペラ座の怪人」で逆転優勝をかけ演技に挑んだ。

 冒頭の4回転サルコーは失敗し尻もちをつく。続く4回転トーループも手をつき失敗。3回転フィリップを成功させるとフライングコンビネーションスピン、ステップシークエンスで落ち着きを取り戻した。続く4回転トーループでまたも手をつくも2回転は無難にこなした。3回転アクセル、3回転トーループの連続ジャンプに挑むも尻もちをつき失敗。続く3連続ジャンプも2回となるも残るコレオシークエンス、フライングシットスピン、コンビネーションスピンを滑りきった。演技が終わると、会場は万雷の拍手で包まれ羽生は満足そうな表情を見せた。フリー154・60点で合計237・55点で暫定首位となる。【第9滑走

 閻涵(中国)】

 直前練習で羽生と激突した閻涵の演技。冒頭の3回転アクセルと3回転トーループは着氷に失敗し手をつく。続く4回転トーループも失敗し尻もちをつき、3回転アクセルは回転不足となった。足換えシットスピン、ステップシークエンスを無難にこなすと3回転ルッツ、3回転ループを成功させた。続く3回転、2回転、2回転の連続ジャンプは着氷で手をつき失敗。さらに3回転、2回転の連続ジャンプは回避した。続く3回転サルコウは回転不足。残りのフライングキャメルスピン、コレオシークエンス、コンビネーションスピンを決め滑りきった。演技を終えた閻涵は観客から惜しみない拍手を浴びた。フリー127・44点で合計206・65点となった。【第8滑走

 ドーンブッシュ(アメリカ)】

 ドーンブッシュ(アメリカ)の演技。フリー149・50点。SP77・23点の合計226・73点。【第7滑走

 ビチェンコ(イスラエル)】

 ビチェンコ(イスラエル)の演技。フリー127・19点。SP76・96点の合計204・15点。暫定6位。【第6滑走

 グエン(カナダ)】

 グエン(カナダ)の演技。フリー149・00点。SP72・85点の合計221・85点。第2グループ

 直前練習

 羽生にアクシデント

 羽生結弦(日本)と閻涵(中国)が練習中に激突した。

 後ろ向きにジャンプに入ろうとした羽生と前向きに滑ってきた閻涵が正面衝突。2人ともリンクに倒れた。閻涵は自らリンクを後にしたが、羽生は仰向けまましばらく動けず。

 係員に引率されリンクを後にする際、あご付近から出血していた。

 その後、右こめかみ付近にガーゼを当て頭をテーピング。あごにも絆創膏を貼った羽生がリンクサイドに現われリンクに入り練習を再開。観客から悲鳴のような歓声が上がった。

 ジャンプに挑戦するも十分な回転が得られず。ふらつきながらも練習を終えた。第1グループ【第5滑走

 ジー(ウズベキスタン)】

 ジー(ウズベキスタン)の演技。フリー149・82点。SP69・46点の合計219・28点。第1グループが終了。【第4滑走

 関宇航(中国)】

 関宇航(中国)の演技。フリー113・97点。SP63・69点で合計177・66点。【第3滑走

 ジンソ(韓国)】

 ジンソ(韓国)の演技。フリー121・00点。SP62・46点で合計183・46点。【第2滑走

 王一(中国)】

 王一の演技。フリー103・63点。SP57・29点で合計160・92点。【第1滑走

 田中刑事フリー132・44点

 合計189・25点】

 SP11位の田中の演技。冒頭の4回転サルコーは着氷に失敗し転倒。続く3回転アクセル、3回転フリップと3回転トーループのコンビネーションジャンプは成功させスピンとステップシークエンスを無難にこなした。3回転アクセルと2回転トーループは減点の対象となる。3回転ルッツは決まったが続く3回転、2回転、2回転をミス。3回転ループと3回転フィリップを決め、最後はフライングキャメルスピンで締めた。演技を終えた田中は、悔しそうな表情でリンクを後にした。