サッカー日本代表が10年W杯南アフリカ大会出場をかけて戦うアジア最終予選が、札幌で開催される可能性が出てきた。北海道サッカー協会が、ホーム4試合の日程にある来年3月か6月の試合を誘致する方針を、20日までに固めた。この日、札幌ドームで行われた日本―ウルグアイ戦には、平日の親善試合ながら3万1133人が詰めかけた。来年80周年の節目を迎える道協会では記念行事の目玉として、最終予選と北海道での直前合宿を要望する嘆願書を近く日本協会に提出する。

 集客力にかげりが見えてきたともいわれる日本代表戦だが、北海道での人気は盤石だった。この日、札幌ドームには3万1133人が詰めかけ、北海道サッカー協会の関係者は一様に胸をなで下ろした。同協会の出口明副会長は「平日でも観客が入る。最近は地方都市の方が入りがよい傾向。札幌でのアジア最終予選、合宿の誘致を日本サッカー協会に呼びかけていきたい」との意向を明らかにした。

 札幌ドームでは、06年11月15日にアジア杯予選サウジアラビア戦で4万965人を集めた実績もある。注目の集まるW杯最終予選だけに、満員となる確率は高い。

 観客動員以外にもメリットは多い。日本代表の岡田武史監督(51)は、非公開練習を多く用いる。札幌ドームでの合宿となれば、その点でも有利だ。外から偵察される恐れもなく、部外者の進入をシャットアウトできる。空調がしっかりしているため、試合、合宿ともに3、6月のどちらになっても問題ない。仮に6月となれば、梅雨のない北海道は1年で最も過ごしやすい時期だけに、体調管理面でもメリットがある。「北海道での試合や合宿はチームにとっても良いことが多いのではないか」と出口副会長は話した。

 99年から3年間、札幌を率いていた岡田監督にとっては、地の利もある。関係者に「北海道はたくさんの人たちがスタンドに集まってくれるし、知っている人も多いので心強い」と札幌の好印象を口にしていたという。道協会では日本サッカー協会の犬飼会長へ要望書を提出するだけではなく、岡田監督本人にも札幌開催のメリットを説明するなど働きかけをしていくつもりだ。

 道協会では80周年記念イベントの目玉に考えている。札幌ドームは日本ハム、札幌も使用しているため、日程調整は難しい。道協会では12月上旬をめどに開催決定にこぎ着けたいとしている。