<テニス:全米オープン>◇28日(日本時間29日)◇男女シングルス◇ニューヨーク、ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター

 日本男子のエースで世界126位の錦織圭(18=ソニー)が、全米の日本男子としては73年神和住純以来35年ぶりの32強入りを果たした。同100位のロコ・カラヌシッチ(25=クロアチア)と対戦し、6-1、7-5と2セット連取したところで相手が棄権した。4大大会の日本男子では、95年ウィンブルドンで松岡修造がベスト8に進んで以来の3回戦進出となった。

 日本が生んだ天才少年が、初戦に続き、また歴史の扉をこじ開けた。日本男子として全米史上初のシード撃破と4大大会最年少勝利の初戦からわずか3日後。錦織が、この日は、相手の途中棄権で「ラッキーだった。でも自分のプレーも良かったのでうれしい」と、日本男子として35年ぶりの32強入りを決めた。

 第1セットはわずか21分で1ゲームしか落とさずに快勝した。スタートから4ゲームを連取して、主導権を握った。不安定なカラヌシッチに対し、得意のストロークが爆発。世界ランクは同じ100位台だが、力の差を見せつけた。

 第2セットに入ると、相手ののらりくらりとしたリズムに手を焼いた。ミスが増え、第6ゲームには2-4となりそうなポイントを与えた。それでも、何とか乗り切ると、相手サーブの第11ゲームでブレーク。続く自分のサーブを1ポイントも落とさずにキープして2セット連取すると、相手が棄権した。

 初戦では、緊張とシードとのストローク戦で両足をけいれんが襲った。この日まで2日間あったが、「まだ足がちょっと重かった」とベストな状態にはほど遠かった。それでも、第2の母国の米国で「エア・ケイ」と呼ばれる跳びはねるようなショットを連発し圧倒した。

 95年ウィンブルドンでベスト8に進んだ松岡修造でさえ、4大大会で3回戦以上に進んだのはこの1回だけ。戦後の日本男子にとって、4大大会本戦出場に続く高い壁が2回戦での勝利だった。錦織は、わずか4大大会本戦2戦目で軽々とクリアした。

 この勝利で、世界ランクも再び100位近くまで戻る。次戦に勝ち、4回戦に進めば、トップ100復帰は間違いなく、99位の自己最高位更新も濃厚だ。「トップの選手と試合ができるのが楽しみ」。ベスト16進出となれば、37年中野文照以来71年ぶりだ。日本が世界に誇る「テニスの王子さま」の勢いはとどまるところを知らない。