「口封じ作戦」も屁の突っ張り!?

 北京五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した石井慧(21=国士舘大)が11日、故郷大阪の母校清風学園と大阪市役所を訪問した。奔放な発言を封じるため、大学で指導する斉藤仁総監督(47)が対策を講じたが「石井の舌」は健在だった。

 表彰で訪れた大阪市役所に斉藤総監督が道に迷って遅刻した10分間の空白を突き、石井が滑らかに舌を動かし始めた。平松市長に「強くなった要因は?」と聞かれた時だ。

 石井「もともと強かったから分からない。練習しなくても強い。ライオンやトラがウサギを狩る練習をしないのと同じ。自分はサンボもレスリングも柔術も何でもできる。相撲は腰が高いから少し苦手ですけど」。

 斉藤総監督は事前に報道陣へ「角界のこととか、受け狙いの質問はしないでほしい」とクギを刺していた。大阪市役所にも根回ししており「市長の感想は?」という問いかけにさえ、職員が過敏に反応して止めに入ったほどだった。

 清風学園であいさつのため朝礼台に立つと「(借金の)保証人になるな」「たばこを吸うな」「ネクタイは上まで締めろ」と奇妙な3カ条の人生訓を示した。実は在学中に朝礼で聞いた話をまとめたものだったが、約3300人の中高生の後輩たちは大爆笑。斉藤総監督も「カメラが来ると(石井に)笑いの神様が降りてくる。ティッシュを重ねるように(人間的に)成長させないと」と苦笑いするしかなかった。【太田尚樹】