<全国高校選抜バスケットボール静岡県大会:市沼津62-53浜松開誠館>◇8日◇藤枝・県武道館◇女子決勝
市沼津が62-53で浜松開誠館に逆転で13年ぶり10度目の優勝を決めた。後半に守備を修正して相手の攻撃の芽を摘んだ。同校は12月23日開幕の全国大会(東京体育館)に出場する。
13年ぶりの扉が、ようやく開いた。大石真美(3年)が高々とボールを放った瞬間、3冠を告げるブザーが鳴り響いた。歓喜に沸く市沼津の選手たちは勢いのまま大畑昌己監督(47)を胴上げ。そして、日ごろの厳しい練習への恨み?
からか、そのまま落として喜んだ。それでも“鬼監督”は「胴上げは結婚式以来。気持ちいいですね。空を飛びたい気持ちが分かりました」と笑って許した。
前半は重圧に負けていた。練習から体が重く、試合でもゴール下のシュートを何本も外した。第2Q途中にはチーム最長身176センチの外山紅音(1年)が負傷退場。最大8点差をつけられるなど、焦りが悪循環を生んでいた。
流れを呼び戻したのが3年コンビだった。外山に代わった169センチ植田有香がゴール下に立ち、大石は相手エース片桐を徹底マークした。もともと主力の植田は3カ月前から受験勉強に専念し、復帰は2週間前だった。だが「守備だけはやられないようにした」と懸命に足を動かした。2人に後押しされた全員守備で第3、4Qの失点は1ケタ。前半に14得点も許した片桐を後半4点に抑え、逆転を呼び込んだ。「後半はチーム市沼の勝利です」。大畑監督は選手全員を優しくたたえた。
昨年決勝で常葉学園に敗れた日から練習した。泣きながら打ち込む日もあった。平均身長160センチ台と足りない高さを補うため、マリナーズ・イチローらが取り入れる「初動負荷」で筋力バランスも鍛えた。守備、走力、リバウンド。1年を通じて鍛えてきた。「総体で立った全国の舞台はすごくすてきだった」と大石。その舞台へもう1度立つ日が来た。【今村健人】


