<卓球:JA全農世界選手権団体戦>◇第7日◇4日◇東京・代々木第1体育館ほか◇男女決勝トーナメント

 女子で団体世界ランキング3位の日本が、31年ぶりに銀メダル以上を確定させた。同4位の香港に3-1で勝ち、83年東京大会以来の決勝に進んだ。決勝では、71年名古屋大会以来43年ぶりの金メダルをかけ、同1位の中国と対戦する。

 試合後の取材エリアで平野早矢香(29=ミキハウス)が「ええっ!

 そんなに離れていたんですか」と驚いた。話題は勝負の分かれ目となった第3ゲーム、大逆転劇が始まった4-9の場面。2ゲームを取られて、考えていたのは「戦える形を作ろう」。突破口を探し、点数のことは脇にあった。そこから苦しんでいた呉のチキータ(バックハンドの攻撃的レシーブ)対策にサーブの軌道を変更。12-10で競り勝つと、勢いのままに3ゲーム連取。「卓球をしてきて良かった」と劇的勝利に目を赤くした。

 大ベテランだが、いまも向上心の塊だ。3月のドイツオープンでは、平野美、伊藤の13歳コンビがダブルスでワールドツアー史上最年少優勝を飾ったが、その大会に一緒に出場し、2人の戦いをじかに見ていた。理由は「若い選手にしかできない思い切ったプレーがあって、勉強になる」から。この日の思い切ったサーブ変更も、その貪欲さのたまものだ。チーム最年長は「日本開催の決勝で中国と戦えるのは幸せなこと」と気力十分で撃破に挑む。