<高校ラグビー:大分舞鶴12-5磐城>◇1回戦◇27日◇花園

 大分舞鶴(大分)が、苦しみながらも初戦28連勝を飾った。49回目の花園は、1回戦で磐城(福島)と対戦。前半に2本のトライを奪うが、風上に立った後半は防戦一方。しかし、持ち味の粘り強い守りで磐城の反撃をトライ1本にしのぎ、12-5で勝利した。これで花園での初戦連勝を「28」に伸ばした。

 伝統の意地と執念だけだった。前半に2本のトライを奪った大分舞鶴だが、風上の後半は磐城の猛攻を浴びた。11分に1トライを返され、さらに自陣へ攻め込まれる。しかし、最後の一線は守り抜いた。「守って守って。しっかりタックルして、相手の攻撃を防ぐうちの持ち味が出せた」。辛勝でも、安藤和広監督(49)の顔は「満足」だった。

 優勝1回(74年度)、準優勝3回。今大会が25年連続49度目の出場となる。そんな名門も、今年は全国大会出場が危ぶまれるほど、県予選から苦しんだ。かつて60人以上いた部員は半減した。今年の春、1年生が入部するまでは3年9人、2年7人の中でケガ人が2人。ぎりぎり15人で対外試合をこなした。FWがバックスに回るなど、ポジションもバラバラでは強化も進まない。夏の菅平合宿で伏見工、大阪朝鮮などの強豪に90点以上の大差で敗れ、どん底まで落ちた。

 苦しみながら花園にたどり着いた。ただ、そこにも「伝統」のプレッシャーが待ち受けていた。花園初戦連勝を自分たちで途切れさせるわけにはいかない。CTB吉田有輝主将(3年)は「1人の時は正直、不安になりました。でも、それを回りには伝えないようにしました」。年配のOBからガツガツ檄(げき)が飛んだ。そんな重圧の中で迎えた初戦だった。

 安藤監督は苦笑する。「苦しい試合ばかりで、慣れてきたんでしょう」。攻めよりも、相手の攻撃を防ぐ。そのために徹底してタックルを磨いた。その成果が、この日の辛勝だった。花園初戦28連勝、そして大分県勢の80勝目。名門は今年も「伝統」を守った。【実藤健一】