大畑公式戦607日ぶりトライ/ラグビー
<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼20-10NEC>◇6日◇大阪・長居陸上競技場
神戸製鋼WTB大畑大介(32)が両アキレスけん断裂の重傷を乗り越え、華麗な復活トライを決めた。2季ぶりの公式戦出場となるNECとの開幕戦に先発。後半21分に50メートルの独走トライを奪い、20-10の勝利に貢献した。
実戦から遠ざかっても、鋭い嗅覚(きゅうかく)が一瞬のスキを逃さなかった。後半20分。大畑はNEC守備網のギャップを見つけ、ハーフライン付近でパスを受け取り加速。自慢の快足を一気に飛ばし、DFラインを突破した。追撃のタックルを振り切ると、あとはゴールラインまで一直線だ。50メートルを走りきり、ゴールポスト正面にボールをダウン。しばらく余韻を楽しむかのように、数秒間、笑顔のまま動かなかった。
1万1856人の観客からわき起こる歓声を受けながら、チームメートと抱き合った。重傷を乗り越え、実に607日ぶりの公式戦でのトライ。日本が世界に誇る希代のフィニッシャーは「お客さんがいっぱい入っていたので燃えましたね」と笑った。最後は両足のふくらはぎがつりそうになったが、80分間フル出場。「勝った瞬間はホッとした。FWは頼もしかった」と仲間をたたえた。
2度にわたるアキレスけん断裂。つらい時間を支えたのが、家族であり、ファンの声だった。妻真理さん、長女穂乃佳ちゃんと多くの時間を過ごす中、引退も頭をよぎったが、好きなラグビーから離れられなかった。「ラグビーの重みをあらためて感じたし、このままでは終われない」とグラウンドに戻ってきた。「頑張れとお客さんが言ってくれるのが励みになった」と感慨深げに振り返った。
「僕は世界記録(テストマッチ通算69トライ)を持っているので、恥じないような国内タイトルを取りたい」。派手な復活祭を終えた不死鳥は、次の戦いへと視線を向けた。【大池和幸】
[2008年9月7日8時22分 紙面から]
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