大関琴光喜が警視庁組織犯罪対策3課の任意の事情聴取に対し、野球賭博の口止め料として暴力団関係者に約300万円を脅し取られたと説明していたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。さらに約1億円を要求されたことも話しているという。同課は、琴光喜から「被害者調書」を取り、恐喝事件の解明を進める。

 琴光喜は夏場所中の5月22日に警視庁本庁で行われた聴取で「言えない」としていたが、再聴取で野球賭博への関与のほか、恐喝被害についても説明したという。

 琴光喜は当初、日本相撲協会にも賭博や恐喝被害について否定していた。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は15日、琴光喜が虚偽の説明をしていたことについて「脅されていて、自分や家族に危険だという判断で正直に認めることができなかったみたいだ。大変、反省と後悔をしていた」と語った。

 捜査関係者らによると、琴光喜は野球賭博の「勝ち金」支払いを仲介役に求めた際、大相撲関係者の兄で暴力団関係者とみられる男から、賭博をしていることをばらすなどと脅され、口止め料を要求された。このため現金約300万円を支払ったという。