八百長問題で日本相撲協会を解雇された元幕内蒼国来の恩和図布新氏(27=中国出身)が協会を相手に幕内力士としての地位確認などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、東京地裁(青野洋士裁判長)であり、協会側は、無気力相撲をしたとの認定に不合理な点はなく解雇は適法として請求棄却を求めた。

 恩和図布新氏は特別調査委員会から八百長関与を認定され、4月11日に協会から引退勧告を受けた。期限の同13日までに引退届を提出せず、翌日に解雇処分となった。

 訴状で、昨年5月場所の取り組みで八百長の根拠とされた元春日錦と元恵那司の供述について「重要部分で変遷し、具体性も欠く」と信用性を否定、解雇無効を主張している。協会側は答弁書で「明確な記憶に基づき真摯(しんし)な態度で供述し、内容は具体的で信用できる」と反論した。

 元十両星風のボルド・アマラメンデ氏(27=モンゴル出身)も同様に地位確認などを求めて提訴している。