<大相撲秋場所>◇11日目◇21日◇東京・両国国技館

 平幕相手に喫した黒星に、琴奨菊は「うまくやられました。悪いところは自分で分かってる。修正して頑張らないとね」。修正点については明かさなかったが、ふがいなさからか時折苦笑いも浮かべた。

 得意の左を差せず、逆に左を差して右からおっつける栃煌山に土俵下まで押し出された。大関昇進の目安となる直近3場所で計33勝には横綱、大関戦を残したあと4日で3勝が必要だ。この日の相撲内容にも、土俵下の中村審判長(元関脇富士桜)は「痛いよね。きょうみたいな完敗じゃいかん」と手厳しかった。

 琴奨菊が平幕に連敗した先場所終盤、自らも大関とりに挑んではね返された部屋付きの秀ノ山親方(元関脇琴錦)は琴奨菊に「平幕に勝たなきゃという気持ちが強すぎる。誰に対しても挑戦者の気持ちでやらないと」と声を掛けたという。「大関に上がっても常に目標を持ってやらないと。通過点ぐらいの気持ちを持ってほしい」との願いを込めたエールだった。

 終盤の勝負どころで、場所前から鍵に挙げていた精神面のコントロールはできるのか。琴奨菊は「大丈夫です」ときっぱり言った。その言葉は、まず12日目に顔を合わせる好調の臥牙丸戦で試される。