広島市で行われた大相撲秋巡業で、勢(28=伊勢ノ海)、豊ノ島(31=時津風)、蒼国来(30=荒汐)、時天空(35=時津風)の4力士が25日、8月の土砂災害の避難所となっている安佐南区の佐東公民館を慰問し、約100人の地域住民らと交流した。

 当初80人近い人が避難していた同公民館には、現在も8世帯15人の被災者が生活している。途中で災害の現場を目にした勢は「すごかった。すごいとしかいいようがない」と衝撃を受けたが「皆さんの顔を見たら、すごく前向きで、僕の方が力になりました」と感謝の言葉を贈った。

 豊ノ島は「最初は、なんて声をかければいいかなと思っていた。そうしたら『頑張ってください』と言われて、自分たちが行って元気になってくれるだけでもいいのかなと思った。『応援します』と言ってくれた人たちに、土俵でいい相撲を取ればそれが励ましになる」と誓った。

 自宅の一部が損壊し、公民館で暮らしている土居靖恵さん(47)は「本当にありがたいし、元気が出る。2カ月立って、だんだん忘れられてくるときなので、広島を気に掛けてもらっていることがうれしい。来ていただいた関取を応援したい」と感謝していた。