大相撲九州場所で「昭和の大横綱」大鵬に並ぶ史上最多32度目の優勝を決めた横綱白鵬(29=宮城野)が一夜明けた24日、福岡市内のホテルで会見し「この優勝は特別ですね」と、あらためて感慨に浸った。

 6日目に、1年10カ月ぶりに金星を与えて追う展開となったが「久しぶりに追いかける立場で、それが不思議と気持ちよかった」。

 場所前から嫌でも32回目の優勝を意識させられてきた今場所。特に終盤戦を振り返り「後半戦の4日間は早いはずなんですけど、遅く感じた。なかなか時間が進まない感じがしました」と緊張感があったという。

 今年1年で5度の優勝を果たした。それはいずれも千秋楽で決まった。そのことに触れると「今場所は本当に初日から良かったんです。これだけ良かったのに1敗するからね。来年は1敗や2敗の優勝が多くなるかも。そこに耐える心と体をつくっていかなければいけない」と気を引き締めた。

 そして「角界の父」と慕ってきた大横綱に並んだ道のりを思い返して「ここまで来るにはいろんな道のりがありましたし、思い通りにいかないこともあった。本当に、恩返しと約束を果たせた優勝、大記録ですから、恥じないようにやっていくことが、私の目標です」と話した。