日本相撲協会は26日、福岡国際センターで来年初場所(1月11日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、18歳の阿武咲(おうのしょう、阿武松)が新十両に昇進した。18歳5カ月20日(番付発表時)は昭和以降で10番目に若いスピード出世。「まだ実感があまりないですが、新鮮な気持ちです」と初々しく喜んだが、出てくる言葉からは10代らしからぬ落ち着きぶりを感じさせる。「これからも感謝の気持ちと謙虚さを忘れずに」と「感謝」と「謙虚」の言葉を8度も用いて、浮かれたそぶりは見せなかった。

 青森・三本木農高1年で12年国体少年個人を制した直後に中退し、昨年初場所で初土俵を踏んだ。以来、1度も負け越しがない。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「身長は低く体は小さいが、全身にバネがある。スピードと瞬発力で、相手を根こそぎ持って行くような相撲を取ってほしい」と願い「相撲界で一番稽古する力士になってもらいたい」と期待した。

 横綱白鵬からも期待の若手として名を挙げられた10代関取は「先を見たらどこかでつまずく。先を見ずに一番一番相撲を取る」としっかりとした目標を掲げた。