日本相撲協会が現役力士の野球賭博への関与を認めたことを受け、横綱審議委員会(横審)の鶴田卓彦委員長(82)が、前代未聞の大放言をした。12日、都内で行われた把瑠都(25=尾上)の大関昇進と、新築された尾上部屋の完成を兼ねた祝賀パーティーの壇上であいさつ。相撲協会の公式行事にもかかわらず「欧州出身の大関は把瑠都関と琴欧洲関の2人。今は横一線なので、どっちが横綱になるか賭けの対象になりますね」と、前日11日発表の不祥事をなぞったブラックジョークで、約1000人いた会場を凍り付かせた。

 もっとも、これは相撲協会への提言でもあった。直後には「罪が深くなければ(今回自発的に申告した数人の力士に科した)厳重注意で仕方ない。でもこれからはそんなことではすまない。横審としても引退勧告する」と、再発発覚には黙っていない姿勢を示した。

 相撲協会は全51部屋の親方や力士らに対し、14日をメドに回答を求めている、賭博行為に関するアンケートを行っている。この日パーティーに出席した多くの親方から「うちはいなかった」との声が出た。陸奥生活指導部長(元大関霧島)は「遊びであってもダメ」と、今後は賭博を厳しく取り締まる姿勢を示した。【高田文太】