まだ2年生の先発・吉田大輝がどれだけのボールを投げるのかなと、興味津々だった。

まず、真っすぐの強さはある程度出ていた。甲子園で堂々の投げっぷり。大舞台で力を発揮するタイプかなと。中でも、ワインドアップは絵になっていた。今はノーワインドアップや、最初からセットポジションも珍しくない。ゆっくり振りかぶるシルエットに、ピッチャーらしさを見た。

さらに注目したのはヒールアップ。フォームを見てすぐに目が止まった。右足のかかとをスッと上げるのだが、これは私の同僚だった西崎や近鉄阿波野など、90年代のパ・リーグを代表するエースがやっていた動きで、タイミングを合わせるのが難しく、今ではあまり見なくなった。

変化球ではフォークの精度がいまひとつ。恐らくスライダーも投げていたと感じたが、この試合では暴投が3つもあり、まだまだ精度を高めないと苦しい。緩いカーブが有効だっただけに、カーブを生かすためにも、フォークかスライダーのレベルを上げてほしい。

7回無死一塁では、左打者の投前へのバント処理で、身のこなしが速かった。半身で素早く二塁を封殺。センスを感じた。好投手はフィールディングも難なくこなす。素材は言うことないだろう。

あとは肝心要の真っすぐだが、現時点では高3のお兄ちゃんの方が球質は上だろう。それは、恐らく指のかかりなど、リリースポイントという感覚的な部分によるのではないか。投げて投げて、その感覚をつかみ、さらに大きくなってほしい。

あのドッシリとした下半身がさらに大きくたくましくなって、下半身の粘りが上半身に伝われば、お兄ちゃんクラスの剛球も十分に期待できる。本格派らしい、スケールの大きな右腕に育ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

観戦に訪れたオリックス吉田輝星(撮影・石井愛子)
観戦に訪れたオリックス吉田輝星(撮影・石井愛子)