ソフトバンクの宮崎キャンプも終盤にさしかかった。リーグ3連覇&連続日本一を達成し、さらなるチーム常勝化を目指す3年目の小久保ホークスが船出。独自調整のS組も合流した第4クールを視察した日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(56)は、遊撃レギュラーを目指す野村勇内野手(29)をチーム変革のキーマンに挙げた。
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キャンプを見ていて印象的だったのは野村の姿だ。昨年の宮崎キャンプではB組スタート。それが、チームの故障禍もあってシーズンでは12本塁打を放つなど活躍してキャリアハイの数字を残した。昨秋は侍ジャパンにも選ばれたし、現時点では今宮より上を行っている感じを受けた。
何より体つきだ。キャンプで私がまず見るのは選手の体の変化。野村は小柄ながらもともとガッチリとした体つきだったが、さらに下半身も大きく、どっしりとしていた。太ももやお尻の張りが後ろから見ていても昨年以上にがっしりとしている。ひと冬を越して、体つきが大きく変わった。キャンプで体の変化が分かりやすい選手はそのシーズン活躍することが多い。B組スタートだった昨年の姿とはまったく違った。
存在感は増している。チームにとって野村が「外せない」選手になったということだ。守備練習では今宮がセカンドもやっている。今までにはなかったことだ。過去にも複数ポジションの打診もあったようだが、ショート今宮を脅かす選手が出てこなかった。だが、今季は違う。
開幕スタメンはどうなるか分からないものの、野村はシーズンを通して数多く遊撃を守ることは間違いない。さらに小久保監督がサード栗原の捕手再挑戦も明言した。野村の成長があるからこそだ。攻撃力をさらに高めるために野村の三塁起用も考えている。言い換えれば、野村起用のために他の選手を動かすことになってきた、すなわち「外せなく」なった選手ということだ。ホークス内野は野村中心に回りそうな雰囲気になってきた。
やはり長打力がある選手は魅力的だ。投高打低の時代に入って、打率3割が難しくなってきている。昨年のワールドシリーズも日本シリーズも勝負を決めたのはホームラン。好投手からの連打は難しい。ここ一番でガツンと1発打てる選手が多いほうがいい。昨秋のシリーズ第5戦で野村の決勝アーチは象徴的だ。今季の野村は20本塁打は軽く超えていくだろうし、ゲーム出場が増えれば30発の期待も十分できる。さらに走力もある。今年はもっと走らせるだろうから、攻守に楽しみな存在でしかない。(日刊スポーツ評論家)




