連覇へ向けて、阪神の課題は先発からの転向も含めた投手力の整備に他ならない。まだ順位のことを言うのは早い時期だが、Aクラス、Bクラスの差はハッキリしている。阪神から見て現在のヤクルト、巨人との争いはシーズン最後まで続くと見るのが妥当だろう。

佐藤、森下を中心にした打線に問題はなく、近本が故障から戻ってくれば、さらに活発になるとは思う。しかし勝負を大きく左右するのは、やはり、投手陣、特に中継ぎだろう。ぶっちぎりで勝った昨季と比べて、石井というピースが抜けている点が苦しいのは、今更、言うまでもないことだ。

阪神石井大智(2026年5月撮影)
阪神石井大智(2026年5月撮影)

高橋や村上、才木といった先発が存在し、打線もいいチーム状況。それだけを見れば、もっと勝ち越していてもいいように思うかもしれないが野球はそこが難しい。勝っている試合を勝ち切ることができるかどうか。そこがもっとも大きいのだ。その意味で現代の野球は中継ぎ、ブルペンが最重要ポイントと言える。

投手出身の藤川監督はそこを十分、承知しており、工藤や木下といった若手を積極的に起用し、育てていこうという姿勢はよく伝わってくる。それで首位争いをしているのだから、しっかり戦っていると思う。

阪神工藤泰成(2026年6月撮影)
阪神工藤泰成(2026年6月撮影)
阪神木下里都(2026年6月撮影)
阪神木下里都(2026年6月撮影)

この日、ヤクルト戦が2試合続けて雨天中止となり、終盤の日程が過密になる可能性も出てきた。さらにこれから投手が苦しくなる暑い時期にも入る。そこを乗り越えるためにも、さらなる整備が重要だと思う。

阪神対ヤクルト 室内で練習する阪神下村海翔(右)と今朝丸裕喜(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 室内で練習する阪神下村海翔(右)と今朝丸裕喜(撮影・上山淳一)

今後、下村や今朝丸といった若い投手を起用していく方針のようだ。そういう新しい顔ぶれが入ってきて、さらにある程度、使えるとなれば、現在、先発を務めているスタッフを含め、投手陣の再整備について検討するはず。ゴールに向けて、その作業は必ず必要になってくると思う。(日刊スポーツ評論家)