新球場開業に伴い、北広島駅西口が生まれ変わる。新球場「エスコンフィールド北海道」の命名権を獲得した、不動産の総合開発事業を展開する日本エスコンが、北広島駅西口の再開発に着手。シャトルバスのロータリー整備を中心に、商業施設やホテルなどが建設される。新球場開業の翌年となる24年11月ごろ完成の見通しで、24年度内の開業予定で進んでいる。
複合交流施設
「エスコンフィールド北海道」の“玄関口”に、活気が生まれようとしている。今年7月、JR北広島駅西口の再開発に向けて複合交流施設が着工を迎えた。1~3階までの商業施設内には、地産地消のマルシェや教育施設などが置かれる予定。4階以上はホテルとなる見通しで、デッキによって駅とつなぐ協議が進んでいる。静かな駅前に、新たなにぎわいがもたらされる。
再開発を担うのは、新球場の命名権を取得した日本エスコン。20年、北広島市による北広島駅周辺の敷地の有効活用に向けた公募に参加。北海道支店長の加藤嘉朗氏は「ボールパークの玄関口となる駅前での整備については、当社でやっていくべきであろうと思いました。駅を降りた瞬間にボールパークの雰囲気を感じてもらえるような、そんな仕かけもつくっていきたい」と手を挙げた理由を明かした。
一体感を持たせる
同年12月に優先交渉権を獲得し、21年3月には北広島市とパートナー協定を締結した。「新球場周辺のまちづくりに参画している当社が、駅西口開発も担うことで、球場と駅に一体感を持たせることが可能になる。市に対する事業者の公募プレゼンでは、その辺を強調してアピールしました」と同氏。北広島駅前広場など4カ所の敷地を10年かけて整備する。
来年3月の新球場開業へ、駅前ロータリーと駅直結の敷地の開発計画をスタートさせた。新球場と北広島駅まで約2キロ。徒歩だと25分ほどかかるため、シャトルバス運行によるアクセス面の整備が不可欠だった。今年3月に公表された地価公示では住宅地の上昇率全国ベスト10のうち、トップ3を北広島市が占めた。新球場を軸とした話題による期待が垣間見える。
商業施設やホテルなどの複合交流施設は、24年11月ごろの完成に向けて進められている。加藤氏は「ボールパークで野球が開催されるタイミングに来ていただいたお客さまに利用してもらえるような施設でありながら、地元北広島市の方々に日常使いをしてもらえるような、両面の顔を持った施設を作っていきたい」と展望を述べた。
連携&特色差別化
19年にはJR北海道が、隣接する新駅の検討状況を発表。現存の北広島駅の重要性がさらに増すと見込んでいる。「北広島駅、ボールパーク、新球場開業後に開通予定の新駅の開発と連携をして街をつくり、それぞれに特色を出して差別化をしながら、年を追うごとにアップデートしていければと思っております」。新球場だけにとどまらない活気に沸く場所が、誕生する。【田中彩友美】
<キャンプスペースにテント張って泊まろうかな>
選手が語る新球場(6)
谷内亮太内野手(31)
途中出場の選手が走れるスペースもありますし、キャッチボールできる室内練習場みたいなスペースもあり、今より準備しやすくなると思います。天然芝の球場になるので、内野手として気を使うところがより増えるんじゃないかなと思います。屋根は開閉式なので、雨の中で試合することはないですかね? となると、芝がぬれる心配はあんまりないのかな。それでも寒さで霜で湿る可能性もなくはないので。そういうところも確認しながらやらないと、と思うので神経は使うんじゃないかなと思います。
気になっているのは、札幌の寮から遠いので、どう通おうかなと悩んでいるんですが…。何とかなる、と思います(笑い)。キャンプスペースがあると聞いているので、テントを張って勝手に泊まろうかな。キャンプはやったことないですが(笑い)。
新球場でも勝ちたいので、勝ちにつながるプレーを1つずつ積み重ねていくことだけかなと思います。自分の実力以上のプレーは、なかなか見せることは難しいと思うので、自分の持っている力を1日1日、1球1球出せるようにしてファンのみなさんの前で披露していきたいという気持ちです。