巨人菅野智之投手(35)が充実のシーズンを過ごした。昨季はキャリアワーストの4勝にとどまったが、今季は15勝を挙げて最多勝、最高勝率の2冠。防御率も4年ぶりの1点台と復活を見せた。セイバーメトリクスの指標の1つ、「WHIP」でも両リーグ1位をマーク。さらに与四球率は自身初の1・00未満という数字で、無駄な走者を許さない投球が光った。
WHIPは1イニングあたりの許走者を示す指標で、平均は1・20~40ほど、1・10以下で一流、1・00以下で超一流とされる。
今季は1・00以下のハイレベルな数字で、さらにモイネロ(ソフトバンク)もわずかに抑えて両リーグ1位(菅野=0・9446、モイネロ=0・9447)となった。WHIP両リーグ1位は16、17年に次いで自身3度目になるが、35歳以上での両リーグ1位は今季の菅野が初めてだった。
走者を許さなかった要因は、持ち前のコントロールの高さにある。今季は156回2/3を投げて、与四球は16個。9イニングあたりの与四球数を示す「与四球率」は0・92で、意外にもプロ12年目で初の1・00未満をマークした。
与四球率0個台は今季の菅野と加藤貴(日本ハム=0・92)を含めて史上23、24度目だったが、35歳以上のシーズンに達成するのは初めて。過去には79年高橋直(日本ハム=0・81)と99年小宮山(ロッテ=0・95)が34歳シーズンに1・00未満を記録したことがあったが、2人を抜く最年長での達成だった。制球力を武器に無駄な走者を許さなかった結果、防御率も1・67をマークした。35歳での防御率1点台は44年若林(阪神=39歳で1・56)以来80年ぶりで、2リーグ制後では初という快挙だった。35歳にしてキャリアハイやさまざまな年長記録をつくるなど、今季の菅野は20代にはなかった新たな姿を見せてくれた。【多田周平】
■新人左腕歴代1位
パ・リーグではルーキー武内夏暉(西武)が健闘した。WHIPはリーグ2位で、与四球率1・36もリーグ2位の好成績。特に与四球率は新人でも史上4位に入り、左投手では02年石川(ヤクルト)を上回る新記録となった。球団記録を見ても、ルーキーに限らず歴代5位の成績で、左腕では77年永射の1・49を抜いて、こちらも左投手の記録を更新した。
◆セイバーメトリクス 米野球学会の略称「SABR(セイバー)」と測定基準を意味するメトリクスを組み合わせた造語で、野球を客観的データで分析し、選手の評価を行ったり戦術を組み立てる試み。メジャーでは浸透しているデータ指標。












