日刊スポーツが今夏の高校野球の「ピカイチ選手」を紹介する第3回は「ホープ編」。夏の甲子園2度の準優勝経験を誇る星稜(石川)にスーパー1年生が現れた。最速149キロ右腕の服部成(なる)投手(1年)は、小・中学生と日本一経験があり、世代トップクラスの実力を持つニュースター候補だ。早くも頭角を現し、高校生となって初めて迎える夏の活躍を期待せずにはいられない。
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今春星稜に入学した服部成(1年)は、遠征時に投打二刀流を極める山梨学院・菰田陽生投手(3年)との対面を心待ちにしていた。
試合に向けた調整法や投げる時に意識していることなど直接質問し、胸にストンと落ちる言葉の数々に喜んだ。「ピッチャーとバッターの練習は普段どんなバランスでやっていますか」と尋ねると、菰田は「どうすれば限られた時間の中で、自分がうまくなれるかを考えています」と答えた。およそ5分ほどだったが、「超高校級」と言われる3年生との対話は至福の時だった。
普段の取材から菰田の誠実な態度を感じていたが、この日初めて会った服部の向上心に驚かされた。山梨学院との練習試合1試合目が終わり、昼食休憩が半ばを迎えた時だ。三塁側ベンチからスタスタと駆け寄り「菰田さんに質問したいことがあるのですが、よろしいでしょうか」と少々緊張しながら尋ねた。臆せず1人でやって来て、菰田を質問攻めに。一連のやり取りを高校1年生がやってのけたことに感心し、ただ者ではないオーラを感じた。
大相撲の横綱大の里(二所ノ関=26)と同じ石川・津幡町で生まれ、小学校低学年時に軽い気持ちで出たちびっ子相撲大会で優勝するなど運動神経は抜群だった。「何事にも成功できるように」と込められた名前に恥じぬ活躍は野球でも同じく小・中と日本一に輝いた。3人兄弟の末っ子で2人の兄と同じく星稜に進学し、既にグラウンドで見せるパフォーマンスも1年生離れしている。
春の石川大会では中学通算25本塁打を放った高い打力から野手でもスタメンを飾り、決勝戦の日本航空石川戦で公式戦初登板。投手デビュー戦にして9回4安打完封で優勝に大きく貢献した。最速149キロを放りながら、既に2本塁打をマーク。大器の片鱗をのぞかせるルーキーが、今後どこまで伸びるか楽しみだ。「3年生に向けて体を大きくしながら、ピッチャーでもバッターでも成長していきたいです」。
星稜は春夏通じて甲子園頂点に立ったことはなく、奥川恭伸投手(現ヤクルト)を擁した19年夏を含めた2度の準優勝が最高成績だ。「まずしっかり甲子園に出て、3年生たちと1日でも長く夏を過ごせたら」と誓って高校初の夏に向かう。【平山連】
◆服部成(はっとり・なる) 2010(平22)年7月9日生まれ、石川・津幡町出身。2人の兄の影響で保育園年少か年中ごろに野球を始め、中条ブルーインパルス時代に全日本学童野球、星稜中時代に春の全国軟式野球大会を制し日本一に輝いた。好きな投手には大谷翔平(ドジャース)や千賀滉大(メッツ)の名を挙げ「世界を代表するようなピッチャーに憧れます」。好きな力士は「地元で一番有名な方です」という横綱大の里。177センチ、87キロ。右投げ右打ち。




