巨人の優勝を伝える紙面で担当記者が異例とも言える企画記事を掲載していた。「雀鬼」と恐れられた桜井章一に巨人の主砲・岡本和真について分析してもらっている記事だ。日刊スポーツのサイトでも読める。
「(岡本は)口元に力みが入ってない。目も力みがない。鼻は開いちゃってるし。ポカッとしているほうがいいんだよね。将棋の藤井(聡太)君もそうじゃない。りりしいというか勝負師の顔なんかしていない」
桜井章一が何者か知らない人にはピンと来ないかもしれないが、マージャン界の超人的存在で勝負に徹する人たちからはジャンルを超えてリスペクトされている人物だ。
そんな男の岡本分析を興味深く読んだ。棋士の藤井聡太を例として上げているところが面白かった。「王位」「棋聖」の2冠を誇る藤井は阪神次代のエース高橋遥人と表情がなんとなく似ている。あまり誰も言わないが以前に高橋に聞いたときに「よく言われます」と教えてくれたので“本人公認”だと思っている。
この日、阪神が勝てなかった要因はいろいろとあるだろう。正直、サヨナラの場面は首位打者を争う梶谷隆幸と勝負するところなのかなとも感じたし、終盤の拙攻も大きかった。
同様に中盤から勝ちの流れにもっていけなかったのは、その高橋にも小さくない理由があったと思う。投球ではない。3回無死一塁、5回無死二塁の好機でいずれも犠打を決められなかったことだ。
バントこそしたが転がすところがうまくいかず、2度とも前の走者が死んでしまった。いつも書くが勝負に「たられば」はない。それでも犠打が成功していれば序盤で優勢に進められたのでは、と思ってしまう。
守備の拙さが目立つ阪神だが、何というか、全体的に細かいプレーが決まらない印象もある。終盤の拙攻もそうだ。8回無死二塁で代走・島田海吏が次打者の二塁打の打球を正確に判断できず三塁で止まったり、その後の右飛で本塁へ勝負をかけなかったり、と状況を分ける場面で消極的になるケースもうかがえる。
若い選手は試合の中で学んでいくものだから、ミスはミスで仕方ないのだが、そのあたりを首脳陣はきっちり指導していかなければ…と思う。見た目はポカンとしていてもしっかり結果を出すからいいのであってポカンとしたままでは話にならない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




