100勝到達のセ・リーグ最速タイを記録した指揮官・藤川球児である。「阪神タイガースのチームワークが結果として表れているのは単純にうれしい」。球児は自分どうこうでなく、組織としての記録だというような話をした。
監督としての力量とはあまり関係がない…という意味ではなく、それはその通りだと思う。かつての球団を思えば本当にいいことである。その意味で記録的勝利ではあるが、捉え方によっては違う見方になるゲームだったかもしれない。
間違いなく本塁打の重みを感じさせる試合ではあった。大竹耕太郎、栗林良吏の投げ合い。4回、佐藤輝明が貴重な1発を大きな放物線で右翼スタンドギリギリに放り込み「先制決勝」のアーチで決着した。
そして「鯉(コイ)キラー」の大竹が本領を発揮し、7回を0点に抑える。そこから桐敷拓馬、疲労を考慮してか岩崎優でなく9回はドリスで最後を締め、3投手のリレーで広島打線を0封した。
「展開ですからね。でも、うまくゲームを取れたかなと満足しています」。球児はテレビの勝利監督インタビューでそう振り返った。まさに「うまくゲームを取れた」という感じかもしれない。
なにしろ阪神打線が放った安打は「2」だ。得点は佐藤のアーチによる1点だけ。これで勝ったのだからおいしいと言えばおいしいけれど、少しだけ不安も残るのは考え過ぎか。
4回に佐藤の本塁打が出た後、16打者連続で無安打である。出た走者は8回、死球を受けた近本光司だけ。前カードでのDeNA戦、さらに延長12回ドローとなった前日に10安打を放って疲れたワケではないだろうがこの日はおとなしかった。1、2回と走者を出し、先制機だったがそれをモノにできなかったのである。正直、弱っている広島相手でなければどうなっていたか、とは思う。
もちろん打てばいいということではなく、すべて投手との兼ね合い。そういう意味では効率的という見方もできる。それでも攻め込んでくるヤクルト、巨人と来週のカードに向けて、少々、不安も残る気はした。
ここで連敗を止められたことは間違いなく大きいが夜になって入ってきた「近本骨折」のニュースは衝撃的だった。これがどう出るのか。期待と不安を抱えながら首位・阪神は9連戦に突入していく。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)








