リーグ戦再開の初戦は阪神にとってこれ以上ない勝ちパターンの試合になった。エース村上頌樹が抑え、森下翔太、佐藤輝明、そして大山悠輔のクリーンアップで得点していく。当たり前だが、これができれば阪神は強い。もちろん、どのチームでも主力が活躍すれば同じことだろうが、役者がそろっている分、阪神は有利ということだ。
今季、横浜スタジアムでの過去2試合はボコボコに打たれて連敗していた。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように1回から5得点。これで先発が村上なのだから負けるようなことがあれば、その方がニュースになる展開だった。
派手に打ちまくったそんな試合の影でキラリと光を放っていたのが守備ではないか。大量点の割には締まった試合になったのはそこが大きかったと感じる。
まず5回だ。交流戦ラストの17日楽天戦でサードに戻った佐藤が牧秀悟の痛烈な当たりを横っ跳びで処理し、沸かせた。「反応はよかったですね。まあ打者が牧なんでね…」。内野手だった総合コーチ・藤本敦士はニヤリ。ベンチの指示と選手が一体になって長打を防いだ場面だろう。
外野手の見せ場は7回だ。戸柱恭孝のファウル側に切れていく打球に1番・左翼でスタメンの福島圭音が俊足で追いつき、キャッチした後、フェンスに勢いよくぶつかる闘志を見せた。続く度会隆輝の右翼ファウルゾーンに飛んだ打球は、これも右翼手に戻っている森下翔太がしっかり追いかけて処理したのである。
「ワンプレーを丁寧にやっていくのがテーマなのでどちらもよかったですね。森下は1つ(失策が)あったけど。一生懸命やる中で、そこを意識してやってほしい」。外野守備走塁コーチ・筒井壮はそう説明したのである。
締まった試合と書いたが1試合に1個程度しか四球を出さない村上の制球力もその要因なのは間違いない。そういう意味でも、まさに「強い阪神の試合」だったと思う。
リーグ戦再開、セ・リーグの3連戦は「在京シリーズ」だ。よく「在京3球団」と言われた東京、横浜に本拠地を持つ3球団のホームゲームである。そこで巨人が負け、勝った阪神、ヤクルトが首位タイに浮上した。今しばらくはこの接戦も続くのだろう。そこを勝ち抜くためにも打撃力はもちろん、守備も重要なポイントになる。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




