どうも甲子園が苦手に見える今季の阪神である。1回に先制したもののヤクルトに競り負け。これで甲子園での戦績は「借金2」となった。京セラドーム大阪、倉敷での主催4試合を合わせ、19勝19敗1分け、5割に逆戻りである。

そうは言ってもホームで勝ち越しているのはここまでリーグで巨人だけ。本拠での成績だけでどうこうは言えないとは思うが首位を争うチームとして、少々、キツい気はする。

甲子園でしっかり勝つには「投手を中心とした守りの野球」であるのは指揮官・藤川球児も認めるところ。ハッキリ言えば、それができていないのか、ということにもなる。

この日など、その典型だったかもしれない。若い下村海翔が力投していた5回、佐藤輝明の三ゴロ悪送球からキズを広げ、2失策と野選で同点にされてしまう。佐藤が1発で取り返してくれればいいが、いつも、そううまくもいかない。

さらに首をかしげてしまうのは1点差試合の結果だ。いつも書くが広島3連覇監督の緒方孝市(日刊スポーツ評論家)は「1点差負けは監督の責任」という。自らの就任1年目を反省しての話だが、その1点差試合に今季の阪神は弱い。

この日は1-2で敗戦。これで1点差試合の結果は10勝16敗、「借金6」になった。これは最下位に沈む中日と並んでリーグ・ワーストだ。比較してヤクルトはこれで14勝11敗の「貯金3」である。

「ウチは結構、接戦を取ってるんですよね。負けるときはボコボコにされますけど」。試合前、ヤクルトのバッテリーコーチ・衣川篤史はそんなことを話していたが、まさにその見立てがはまった試合だったか。

「1点差」の結果ということになれば近代野球の場合、ブルペンが大きな意味を持つ。その意味でキハダというクローザーが確立しているヤクルトはストロング・ポイントになっているのかもしれない。

「何も起こらず、シーズンすべて行くというのは難しいですから。また明日、キッチリやっていくというところですね」。守備のミスについて、球児は冷静に振り返った。

ヤクルトが勝ち、セ・リーグの混戦はまだまだ続きそうな気配。ここは、もう一度、常に満員御礼で盛り上げてくれる甲子園、虎党のためにも、しっかりと気持ちを入れ直してほしいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対ヤクルト9回裏阪神1死二塁、佐藤輝明は空振り三振に倒れる(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト9回裏阪神1死二塁、佐藤輝明は空振り三振に倒れる(撮影・上山淳一)