この夏こそ、甲子園100勝へ-。京都大会では3年ぶり夏の甲子園を目指す龍谷大平安(京都)が、鴨沂(おうき)に10-0で5回コールド発進した。聖地通算99勝の名門で4番に座る岡田悠希外野手(3年)が2回に中前に2点適時打。昨春のセンバツで豪快アーチをかけたスラッガーの活躍で第1歩を踏み出した。

 龍谷大平安にとって通算100勝へ挑戦する夏が始まった。けん引役は4番岡田だ。2回、4連続四球などで2点を奪い、なお2死満塁で中前に2点適時打を放ち、鴨沂を突き放した。「4番としてチャンスで打ててよかった」。1打席目と3打席目は四球で全打席出塁。チームの力になった副将が、胸をなで下ろした。

 4強入りした昨春のセンバツでは2年生ながら5番に座り、明徳義塾戦(高知)で中堅右に本塁打を放つなど同世代の早実・清宮とともに注目された。高校通算33本塁打の強打者も、近畿大会でエラーするなどチームを率いる姿勢が見られず、同大会以降はメンバーから外れた。そして約1カ月前に山本凌平主将(3年)から副将に指名され「最後の年だし、副キャプテンとして引っ張りたい」と責任感が芽生えた。原田英彦監督(57)は「岡田がどれだけ自覚と責任感を持ってチームの核となれるか」と期待を寄せる。

 この日は西武炭谷銀仁朗のいとこの5番松田憲之朗(けんしろう)内野手(2年)は3打数無安打だったが、岡田ら3年生が8打点を挙げた。11年以降、春夏どちらかには甲子園に出場しており、「甲子園に行けない学年を作りたくない。最後は笑ってほしい」と原田監督。「今日良かったことは5回コールドにできたことだけ」と気を引き締める岡田が、笑って終われる夏にする。【中島万季】

 ◆岡田悠希(おかだ・ゆうき)2000年(平12)1月19日、愛知県生まれ。小学1年から安芸リトルで軟式野球を始める。中学時代はヤングリーグ府中広島2000に所属。龍谷大平安では1年春からベンチ入り。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。