連覇を狙う日本文理は新発田中央を7-3で破り、初戦を突破した。プロ注目の最速150キロ右腕・鈴木裕太投手(3年)は8回5安打3失点で、毎回の11奪三振。終盤に得点を許したが、要所を抑えた。新潟は高田に10-3の7回コールド勝ち。1-3の2回2死満塁に佐藤祐次郎左翼手(1年)が中前打。失策も絡み逆転に成功した。新潟産大付が春季県大会準優勝の関根学園を1-0で破った。

 鈴木がギアを入れ替えた。7回表だ。「真っすぐを狙われていたので、変化球を使った」。この日の最速は自校のスピードガンで146キロ。6回までウイニングショットにしていたその直球を見せ球に、先頭打者をスライダーで三振に取る。

 6回表1死から新発田中央の2番渡辺翔太郎三塁手(3年)に右翼へのソロ本塁打を浴びた。公式戦初被弾だった。この回は犠飛で2点目も奪われた。8回に失策絡みで3点目を許した。それでも動揺はない。毎回の11奪三振。流れが傾きかけるとせき止めた。最終回のマウンドは左腕の新谷晴(3年)に託した。

 「少しプレッシャーがあった」と言う。県内公式戦30連勝中の絶対王者。自身はプロ注目。期待の大きさは十分に感じている。「相手は1試合戦ってきた。うちは初戦。その差もあった」。序盤に2点リードしても突き放せない流れに、夏の初戦の難しさを感じた。その中で、116球を投げての勝利。鈴木崇監督(37)は「へばってはいなかった。調子も悪くない」と及第点をつけた。

 夏に向け、ランニングを日課にし、下半身を強化した。全体練習で100メートルダッシュ10本をこなした後、左翼と右翼のポール間をダッシュ。重圧を感じながらも球威を落とさずに投げ抜いた8回は、その成果だ。

 チームは5回裏に3安打で4点を挙げて突き放したが、6回以降は1得点。鈴木監督は「展開の難しさや、受けに立ってはいけないことなど、選手たちはいろいろと感じたでしょう」と言う。鈴木は「次は変化球を使って抑えたい」と、2連覇への手応えを口にした。【斎藤慎一郎】