熊本工が集中打で圧勝し、中止となった昨年大会を挟み、2大会連続で22度目となる夏の甲子園出場を決めた。

同点で迎えた5回裏に一気にたたみかけた。1死満塁から4番の増見優吏(2年)が左中間を破る二塁打を放ち走者を一掃した。続く5番の原田啓佑(3年)も右前適時打を放った。

増見は2回1死満塁の場面では凡打に終わっていたが、次の打席で借りを返した。「次は決めてやる、と思って打席に入りました。無我夢中でした」と振り返った。熊本工は6回も打者一巡の猛攻で一挙に8点を挙げ、試合を決定づけた。17安打15得点での勝利だった。

ノーシードから初の決勝に進んだ熊本北は、最後に力尽きた。2回に先制、3回に追加点を挙げたが、5回にエース浜田健生(3年)が相手打線につかまった。松尾祐一監督は「8安打したので相手エースは攻略できたと思う。ただ、点差が離れすぎでうちの展開ではなかった。今日の試合をリセットしてまた新しい伝統を作っていきたい」と話した。【片渕浩介】

◆熊本工 1898年(明31)創立の県立校。熊本県立工業学校から51年に現校名。生徒数1185人(女子289人)。野球部は22年創部で部員数94人。甲子園は春21度、夏は22度目。夏は34、37、96年の3度準優勝。OBに元巨人の川上哲治氏、元広島の前田智徳氏、荒木雅博・中日内野守備走塁コーチら。所在地は熊本市中央区上京塚町5の1。柿下耕一校長。