聖光学院・佐山未来投手(3年)が力尽きた。1回戦から全試合に登板してきたエース右腕は、2回途中から2番手で救援。5回130球を投げ、9安打7四死球10失点(自責7)と打ち込まれた。「1週間500球以内」の球数制限まで、あと12球に迫る中、6回に代打を送られて無念の降板となった。

1-3の2回無死二、三塁でマウンドを託された。いきなり四球で満塁。次打者は空振り三振に仕留めて1死としたが、その後は2本の適時打を許し、失策なども絡んで大量8点を失った。「2回のピンチで流れを止められず、あの回で勝負が決まったと言っても過言ではない。ビッグイニングを作って申し訳ない」と責任を背負った。

降板前のベンチで、捕手山浅から「お前と現役でバッテリーを組むのは最後だな。ありがとう」と声をかけられ、涙がこみ上げてきた。目標の日本一には届かずも、聖光学院では春夏通じて最高成績の4強入り。第4日(9日)の1回戦から全5試合で投げた計551球が、その原動力になった。

ヤクルトの大ファンで、父正和さん(44)の青学大時代の後輩にはヤクルト石川がいた。同投手の長男で東海大高輪台(東東京)の大耀(だいや)とヤクルトジュニアでチームメートだった縁があり、石川からもらった言葉、「初志貫徹」を座右の銘にする。「大学で頑張って、絶対にプロ野球に行きたいです」。必ず成長し、憧れの人と同じ舞台に立つ。【山田愛斗】